服薬指導

腹八分を実践できない患者さんへの服薬指導!まずは目の錯覚を利用する


こんにちは。 マサです。

調剤薬局にて薬剤師として働いています。

あなたは、食べ過ぎの患者さんに「腹八分目を心がけましょう」と服薬指導をしたことがありませんか?
私はあります。頻繁に指導しています。
しかし、実践して継続できる患者さんは少ないと思いませんか?
そこで今回は、腹八分目を実践してもらうための服薬指導を紹介したいと思います。

腹八分目を実践できない患者さん

まず全ての患者さんに実施してもらいたいのが、茶碗や器、皿を小さいものに変えることです。
これは量が同じであっても、目の錯覚によって量が多いと感じます。苦労せずに量を減らすことにつながります。

腹八分目を実践できない患者さんの言い訳

農作業をする患者さんが、「しっかり食べないと体がもたないから」と言うことがあります。確かに一理あります。
ですが、夕食をたくさんしっかり食べる必要はありません。体を動かすためであれば、朝食と昼食をしっかり食べれば良いのです。

また、今食べている量が適量と信じている患者さんも多くいます。
「いつもの量を食べないとお腹が空いてしまう」と言います。

何かがキッカケで病院に入院して病院食を経験すると、「ご飯もおかずも量が少なかった」という患者さんや、「ご飯は多かったけど、おかずは少なかった」、「ご飯は少なかったけど、おかずは多かった」という患者さんがいます。
多くは「ご飯量が多くておかずが少ないように感じた」と言います。
要するに、普段の食事でおかずが多いということは、どうしても油や調味料、食材が重なって高カロリーとなっていることが多いのです。それに気づいていません。

さらに70歳以上の高齢の方では、白米中心の食事の方が多くいます。ご飯は1食2膳が当たり前、どんぶり茶碗1杯が当たり前という患者さんが多くいます。
それでは腹八分目は無理です。

その他、捨てるのがもったいないから、出された量は残さず食べる患者さんや、どうやって減らしたら良いのかわからない患者さんもいます。
 

1.いつもの量を食べないと満足しない

・どうしても量を食べてしまう場合は、マンナンヒカリや雑穀米、麦ご飯を活用することでかさ増しができます。

・ご飯の茶碗を小学生低学年や幼稚園児が使用するものに変えてみてください。そこに普段通りのご飯をよそうと、とても量が多く見えます。視覚の効果を利用することをオススメします。同様に、おかずも1品ずつ小さな器を活用することをオススメします。
 

2.途中でお腹が空いてしまう気がする

・コーヒーや紅茶、お茶でも構いません。それを飲んだらそれ以上食べなくなる飲み物を活用しましょう。例えば、腹八分目の量を食べてもまだ満足できない時に、まず熱いコーヒーを飲んでください。そうすると、それ以上の食事をしたくなくなるかもしれません。
この時に大切なことは、コーヒーを熱くすることです。熱い飲み物はすぐに飲めないので、飲み切る頃には満腹中枢が満たされているかもしれません。紅茶やお茶でも構いません。熱くすることが大切です。

・冷たい飲み物ならば、炭酸水をオススメします。レモン風味でも構いません。
炭酸のジュースではカロリーがあるのでダメです。カロリー0にしても、甘いものを口にする習慣ができてしまうのでオススメしません。
 

3.量を食べたい

・ご飯の茶碗を小学生低学年や幼稚園児が使用するものに変えてみてください。そこに普段通りのご飯をよそうと、とても量が多く見えます。視覚の効果を利用することをオススメします。同様に、おかずも1品ずつ小さな器を活用することをオススメします。

・腹八分目の量を食べ終えたら、一度ブラックガムやミントガムを食べ、少なくても15分は噛み続けてください。そうしている間に満腹中枢が満たされるかもしれません。
 

4.捨てるのがもったいない

・最初から少ない量を用意するようにしてください。普段から残るのであれば、普段から作りすぎです。

・残った分は翌朝や翌日昼食のおかずにするようにしてください。そういう習慣にすれば良いです。同じ料理では飽きてしまうようならば、1品は新しいおかずを作れば良いです。
 

5.出された量は残さず食べる

・家族が料理を準備するのであれば、家族にも協力してもらってください。薬剤師がお話しすることもできます。食卓に並ぶ料理の品数は変えずに量を減らしてください。

・大皿を活用すると、1食での量が決まりません。1人分ずつの小皿を活用してください。
 

6.減らし方がわからない

・ご飯やおかずを用意する時は、一度普段と同じ量を用意し、そこから1口か2口分を抜くようにしてください。そして、抜いた分は目に入らないようにしてください。

・1食量を決めてしまい、1食分ずつ冷凍してください。解凍してまで食べようと思わない方が多いです。
 

7.その他

・昼食後や夕食後に眠くなることはありませんか? それは食べ過ぎによりお腹に血液が集まるためです。ご飯量を減らすことで眠くなりにくくなります。

・毎食、ご飯を1口から2口減らすことで、体重を1kg減らすことができた患者さんがいます。毎食1口か2口ならば始められそうではないですか?

・翌日に備えて夕食をしっかり食べるようにしている患者さんがいます。しかし、夕食量が多くて胃腸に負担がかかると、睡眠の質が低下してしまいます。それは翌日の疲れに繋がってしまいます。夕食は軽い方が良いのです。

-服薬指導
-

© 2023 夫婦薬剤師