服薬指導

薬剤師のための『骨粗鬆症の予防』について!!『運動』『食事』『その他』


こんにちは。 マサです。

調剤薬局にて薬剤師として働いています。

今回は骨粗鬆予防について記事にしました。

今回も『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版』を参考に、骨粗鬆症治療薬についてまとめました。

患者さんから「骨密度を上げるためにはどうすれば良い?」と質問を受けます。
今までは「運動とバランスの良い食事が大切です。」と返答していました。
「運動とバランスの良い食事が大切です。」はその通りですが、具体的ではありません。
なので、具体的な服薬指導を考えました。


服薬指導

運動について
毎日30分程度のウォーキングとバランス訓練(フラミンゴ療法)、週2〜3回の筋力トレーニングなどを組み合わせて行うことが大切です。食事について
食事の注意をするのであれば、カルシウムだけを意識するのではなく、ビタミンD、ビタミンKなどバランスよく食べることが必要です。

体重について
(閉経後女性の場合)肥満に注意です。BMI25未満をオススメします。

その他
・喫煙者は禁煙をオススメします。
・飲酒する方はエタノール量で1日24g未満をオススメします。
・サプリメントとしてカルシウムを摂取する場合は、1日量が500mgを超えないように注意してください。またビタミンD製剤を服用している方は、高カルシウム血症を予防するために、服用前にに主治医に確認してください。

運動について

運動は骨粗鬆症予防に有効か

骨折をアウトカムにしたRCTがない。
身体活動の活発な者では骨粗鬆症性骨折が少ないとするコホート研究は多数あり、メタアナリシスも支持しているが、介入時の有害事象として骨折を集計しているにすぎない。

閉経者における軽い運動は、腰椎骨密度を有意に上昇させる。
(軽い運動:歩行や太極拳など)
閉経者における強い運動は、大腿骨近位部骨密度を上昇させる。
(強い運動:ジョギング、ダンス、ジャンプなど)

転倒予防は骨折予防となるか

転倒予防が特に大腿骨近位部骨折の予防に有効か否かについては、明確なエビデンスに乏しい。
国内外の十分かつ適切な被験者を有するRCTにおける転倒予防の成果から、運動介入などは明らかに転倒発生率を低下させているが、それが骨折予防に対しても有効とした研究は少ない。
骨粗鬆症(運動介入と転倒)

骨密度上昇のための運動

ウォーキングは背筋を鍛えることができる。また、腰椎骨密度を上昇させる効果がある。
ウォーキングは1日30分程度を目安に実施することを推奨する。
筋力訓練は週に2回、1回だけ行える最大強度の筋トレの40%程度の負荷で8〜10回/日を推奨する。

転倒予防のための運動

週に2〜3回以上の筋力訓練・バランス訓練が有用とされている。
プロプリオセプション(固有受容感覚)訓練と大腿四頭筋訓練(1回だけ行える最大強度の筋トレの50〜80%程度の負荷)は転倒リスクを低下させる。
75歳以上の高齢女性(開眼片脚起立時間が≦15秒)において、バランス訓練(片脚起立訓練:フラミンゴ療法1分×3セット/日、6ヶ月)は、転倒発生率を低下させると言われている。
フラミンゴ療法

運動のまとめ

運動介入により骨折が増えたとする研究はありません。そのため、骨粗鬆症によるQOL低下防止のために、運動することをオススメします。
運動は転倒予防の視点からすると、筋力トレーニングとバランス訓練が大切であり、骨密度上昇の視点からすると、ウォーキングと筋力トレーニングが大切です。
よって、毎日30分程度のウォーキングとバランス訓練(フラミンゴ療法)、週2〜3回の筋力トレーニングをバランスよく行うことが大切です。

食事について
一般的にはカルシウムとビタミンDの摂取が必要と考える。
ただ、骨の健康に関わる栄養素が多い。

カルシウム

カルシウム摂取と骨密度、骨折に関する最近のメタアナリシスでは、大腿骨近位部骨折の発生率とは関連しないとの報告もある。
しかし、小児の骨密度に対してはわずかな上昇効果が見られる。
骨粗鬆症(カルシウム)

カルシウムのサプリメントについて

近年の海外の報告では、カルシウム摂取と心血管疾患の関係が報告されている。
これはカルシウム薬やカルシウムサプリメントの使用により、心血管疾患のリスクが高まる可能性があるというものである。ただし、同じ量のカルシウムを食品として摂取した場合には、そのようなリスクの上昇がないことも、栄養素としてのカルシウムの特徴とも考えられている。
現時点では、サプリメント、カルシウム薬として1回500mg以上を摂取しない様に注意が必要である。
また、ビタミンDとの併用時には高カルシウム血症にも注意が必要である。

カルシウム以外

骨粗鬆症(VD:VK)

食事のまとめ

食事の注意をするのであれば、カルシウムだけを意識するのではなく、ビタミンD、ビタミンKなどバランスよく食べることが必要です。
もしサプリメントとしてカルシウムを摂取する場合は、1日量が500mgを超えないように注意してください。
またビタミンD製剤を服用している方は、高カルシウム血症を予防するために、服用前にに主治医に確認してください。

その他

喫煙は骨折リスクを上昇させるか

喫煙女性の大腿骨近位部骨折リスクは、非喫煙者よりも
60歳で17%高く、70歳で41%高く、80歳で71%高く、90歳で108%高い結果が得られた。
男性でも同様の結果だった。
禁煙者では、非喫煙者のレベルまでは低下しないが、喫煙者の半分以下にはリスクを減らせる可能性がある。

過度の飲酒は骨折リスクを上昇させるか

3コホート研究のメタアナリシスでは、1日のエタノール摂取24g以上の男女で骨粗鬆症性骨折リスクが38%上昇、大腿骨近位部骨折は68%上昇した。
13の観察研究のメタアナリシスでは、1日14g未満の飲酒にすることで大腿骨近位部骨折のリスクが有意に低下し、28g以上で有意に上昇した。
飲酒はエタノール量で1日24g未満を推奨。

ヒッププロテクターに骨折予防効果はあるか

治療用装具であるヒッププロテクター(HP)は転倒骨折リスクの高い集団の大腿骨近位部骨折の予防に有効である。
1993年〜2008年にヒッププロテクターの骨折予防効果に関するRCTが16件報告されている。介護施設生活者では大腿骨近位部骨折リスクが約25%低下した結果が得られた。在宅高齢者での有効性は、コンプライアンスの低さもあり、否定的である。
日本のRCTでは、転倒既往者やBMI19以下の痩せ方高齢者などの、骨折リスクの極めて高い対象者に限ると、ヒッププロテクターにより大腿骨近位部骨折のリスクが63%低下した報告がある。

体重管理は骨折リスクを低減するか

12のコホート研究のメタアナリシスによれば、BMIが1増加する毎に骨粗鬆症性骨折の相対リスクと、大腿骨近位部骨折が低下した。
BMI25を基準にすると、大腿骨近位部骨折のリスクはBMI30で17%低下、BMI20で95%上昇した。
閉経後日本人女性の椎体骨折はBMI≧25群で18.5≦BMI<25群より64%増加。
→要するに、BMI>25において、大腿骨近位部骨折の予防につながる。BMI<25において、閉経後の日本人女性の椎体骨折の予防につながる。

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