こんにちは。 マサです。
調剤薬局にて薬剤師をしています。
あなたは患者さんから頭痛の相談を受けた経験がありませんか?
その時に、OTCで対処した方が良いのか市販薬で様子を見て良いのか悩んだ経験はありませんか?
今回からシリーズで頭痛に関する対応を記事にしたいと思います。
私が作成した『頭痛のフローチャート』をご覧ください。
頭痛:フローチャート
書籍3冊とインターネット上で調べたことをまとめて作成しました。これ以外にも頭痛の原因になる疾患はあります。
その時には、目の前にいる患者さんの現病や既往歴から推測することも必要になります。
頭痛を訴える患者さん
患者さん:46歳 男性
ある一人の患者さんが来局され、相談されました。


















この病気はそのままにしておくと視力低下や最悪失明につながる恐れがあります。1時間という時間が大切になることもあります。
明日まで待つのでは遅いかもしれませんので、すぐに救急を受診することをオススメします。
適切に治療すれば視力低下を防止できるかもしれません。
薬局での判断・指導
判断
・症状の確認(頭痛、眼痛、繰り返す嘔吐、目の充血)
・光を当てて瞳孔が収縮しなければ急性緑内障発作の可能性が高い(対光反射の減弱・消失)
指導
急性緑内障発作の症状
・眼痛、頭痛(前頭部痛)、繰り返す嘔気・嘔吐、目の充血、視力低下
・発作の目の充血、霞
急性緑内障発作の特徴
・自覚症状が出てきた時にはかなり進行している
・長時間放置すると視力低下が回復しない
・瞳孔拡大
・対光反射の消失➡︎ペンライトなどで瞳を照らして、瞳がキュッと縮めば問題ない
・眼圧が50mmHgまで上昇することがある。そのまま1週間もすれば失明してしまうこともある。また、症状によっては一晩で失明してしまう可能性がある
・緑内障発作を起こしやすい人は、中高年の女性、遠視眼、風邪薬や睡眠薬の使用、日中に消化管内視鏡検査を受けた人、日中に眼底検査を受けた人、低体温の人
・下向きでいる時に生じやすい
・眼科医が見れば、「急性緑内障発作」を起こしやすい目かどうかすぐに見分けがつく
急性緑内障発作の原因
・白内障により水晶体が分厚くなり、瞳孔ブロックが起こる
・抗コリン作用による隅角の進行
・疾患・薬物使用による散瞳
急性緑内障発作の治療
手術療法
・レーザー虹彩切開術
→眼球内が確認できる場合に実施:線維柱帯切開術、線維柱帯切除術
・周辺虹彩切開術
→レーザー虹彩切開術ができない場合や白内障手術ができない場合に実施
水晶体と虹彩の間で防水の流れが悪くなっているので、虹彩に迂回路を作成する
・白内障手術
→水晶体を取り出して眼内レンズに変更することで、隅角を大きく開くことができる
薬物治療
・高浸透圧薬の点滴
・縮瞳作動薬の点眼
・炭酸脱水素酵素阻害薬の内服・点滴
薬局でできること
薬局で急性緑内障発作が起こりやすい患者さんかどうかを見分ける方法はないと思います。
なので、緑内障の家族歴があって眼科の検診を受けたことのない患者さんには、一度眼科検診をオススメしてください。