こんにちは。 マサです。
調剤薬局にて薬剤師をしています。
あなたは薬の副作用を分類して考えていますか?
私は分類して考えています。分類することで患者さんへの服薬指導が変わるからです。
おそらく、あなたもこの記事を読むと『自然とやっている』と気づくと思います。
副作用は4つに分類
私は薬の副作用を以下の4つに分類します。
1.期待する効果が強く出てしまった副作用
2.もともと薬がもっている作用が好ましくない形で現れた副作用
3.アレルギー性のように、お薬と体の相性が悪くて生じた副作用
4.原因はわからないけれど、発生頻度の多い副作用
どういうことかは『フルイトラン錠』を活用して説明します。
服薬指導の事例紹介
1


2


3


4


言われてみれば『その通り』と思いませんか。
事例説明
1.薬の効果が強く出たことによる副作用です。
要するに効果の延長線上にある副作用であり、お薬を服用した患者さん全員に起こり得る副作用です。
2.薬そのものが持っている『利尿作用』が好ましくない症状として現れたものです。
これもお薬を服用した患者さん全員に起こり得る副作用です。
3.お薬と体との相性が悪くて生じた症状です。
これは全員に起こり得るものではなく、服用してみないとわからない副作用になります。
4.脂質異常症の治療に使用するスタチン系による『横紋筋融解症』や高血圧の治療に使用するサイアザイド系による『光線過敏症』などの、原因はわからないけれど発生頻度の多い副作用もあります。
この他にも、ニフェジピン錠とクラリスロマイシン錠を併用することによる血圧低下、ワーファリン錠と痛み止め併用による出血リスク増大などもあります。
これは1と同じ分類と考えれば良いと思います。
最も生じやすい副作用は1の『薬の効果が強く出たことによる副作用』です。副作用を分類できれば、注意すべき副作用がわかります。
薬は作用機序まで勉強しましょう
薬の作用機序を理解していない薬剤師が稀にいます。その薬剤師はこの分類を行うことができません。そのため注意すべき副作用がわかりません。わかったとしても経験上で学んだものであり、論理的ではありません。
確かに経験にて学ぶ副作用も大切ですが、経験で学ぶ前から副作用は発生します。作用機序から副作用を考えることが大切です。
作用機序は添付文書に記載されていますので、そこを確認すればわかります。時々作用機序が解明されていないお薬もありますが、それは経験と想像により分類することになります。
お薬の添付文書を確認していますか? お薬ハンドブックなどで済ませていませんか?
私は必ず添付文書を確認します。お薬ハンドブッックのようなものを10年以上使用したことがありません。以前使用した時は、同じ系統のお薬には何があるか、を知るために使用しただけで、それ以外の目的で使用したことはありません。
薬剤師ならば公文書である添付文書を活用する習慣をつけましょう。