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【簡単】薬局でできる認知症を疑った患者さんの確認!質問内容を挙げて


こんにちは。 マサです。

調剤薬局で薬剤師として働いています。

患者さんとお話をしていると、『この患者さん大丈夫? 認知症かも?』と心配になることがあると思います。
また、ご家族やご本人から認知症の相談をされることがあると思います。

今回は認知症の相談を受けた時に確認することをまとめました。
各項目から1つか2つ確認することをオススメします。

 

認知症を疑った患者さんの確認

認知症の症状は、脳の萎縮や血流低下によって脳の機能が落ちることで生じます。

アルツハイマー型であれば、記憶領域である「海馬」の萎縮が多いため、物忘れから症状が出ることが多くなります。主に記憶障害、見当識障害、判断力低下などの中核症状が出ます。

脳血管型であれば、脳梗塞や脳出血によって障害を受けた場所に応じた症状が出ます。そのため、最初に物忘れの症状が出るかわかりません。

レビー小体型であれば、繰り返す幻視、特発性のパーキソニズム(手の震え、歩行障害)、症状の日内変動が特徴的です。その他、レム睡眠障害(寝ている時に大声をあげたり、話し始めたり、行動したりする)や睡眠薬、抗精神病薬、抗不安薬が効きすぎるなどがあります。

上記3つで認知症の約90%を占めます。

下記はアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症を疑ったときに確認することです。

物忘れ

・大切な約束や予定を忘れるようになった
・何度も同じことを聞いてくるようになった
・「物忘れ」していることを認識していない
・今まで持ち歩くことや、使用しなかったメモ帳を使用するようになった
・物をしまった場所がわからなくなった
 

言葉が出てこない

・話をしていても言葉が出てこないので、次第に会話に入ってこなくなる、会話が減っている
・話に入ってきたいので、覚えていることを何度も繰り返し話す
・別人の名前を読んだり、「リモコン」を「鍋」などと別の名前で呼ぶ
 

できていたことができない

・できていた料理ができなくなったり、いつも作っていた料理のレシピを確認したりするようになった
・今まで使用していたバスや電車への乗り方がわからなくなった
・携帯電話やスマートフォンが使えなくなった
・いつも使用していたリモコンの使い方がわからなくなった
・いつもできていた掃除ができなくなった
・いつも一人できていたことを家族に頼るようになった
・一人で着替えができなくなった
 

感情や人格が変わったように思う

・話をしているとすぐに怒るようになった(話をしている内容がわからないため)
・留守番を頼むと不安になる、怒る(留守番することや一人になることが不安なため)
・初めての場所に行くと、今までなかったほど不安になったり挙動不審になったりする
・人とかかわることを嫌がるようになった
 

計算や計画ができない

・買い物のときに計算をして買えなくなった(買いすぎたり、買わなくなったり)
・旅行の計画ができなくなった
・料理に時間がかかるようになった
・簡単な料理しか作らなくなった
 

時間や場所がわからない

・「ここどこだっけ?」と頻繁に確認するようになった
・「今何時?」と頻繁に確認するようになった
・普段から利用しているトイレの場所がわからなくなった
・病院に行く日や時間を忘れるようになった
 

判断力が落ちた

・訪問販売の契約をしてしまう
・インターネットで色々と購入してしまう
・家に同じ物が何個もある(調味料、電池、ペンなど)
・季節にあった服を選べなくなった
・何か質問された時に、助けるように家族を見るようになった
・小銭を使用できなくなったり、1万円ばかり使用する
・なんでも話を合わせる取り繕いが見られるようになった
 

薬局で簡単に確認する方法

1.名札を見せながら自己紹介をし、患者さんの前で名札を隠します。患者さんには後から名前と名札の隠し場所の確認をすると伝えます。

2.認知症と間違えやすい疾患の確認をします。
甲状腺機能低下症(徐々に増加する体重、痕のつかない浮腫、髪の毛が細くなる)、うつ病(午前中が不調、食欲不振、意欲低下)、せん妄(夕方から夜間に悪化、急激に生じた錯覚や幻覚、妄想、興奮)

3.2の確認を2〜3分程度で行い、その後、1で行った名前と名札を隠した場所を確認します。思い出せなければ認知症の可能性があります。

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