薬剤師へ

若手薬剤師へ『服薬指導の結果を期待しないでください』:経験談を踏まえて


こんにちは。 マサです。

調剤薬局にて薬剤師として働いています。

今回は、社内研修で感じたことを記事にしたいと思います。

それは、「若手薬剤師は服薬指導の結果を期待し過ぎている」ということです。

若手薬剤師は服薬指導の結果を期待し過ぎている

先日あった社内研修では、調剤後患者フォローにて「上手くいった例」「上手くいかなかった例」をスモールグループディスカッション(SGD)にて話し合いを行いました。

「上手くいかなかった例」の紹介の中で、「患者さんの反応が薄かった」「大丈夫、ということですぐに電話を切られてしまった」という意見がありました。この意見は薬剤師歴5年目以内の若手薬剤師から多く挙がっていました。

連絡をして相手の反応が薄かったり、反応が悪かったりすれば「上手くいかなかった」と考えても普通ではないの?、と思うかもしれません。
ですが、患者さんが気になることなく服用でき、困ることがなかったならば、良かったのではないでしょうか。

確かに、こちらが患者さんのためを思ってしたことを受け入れてもらえなければ、落ち込む気持ちはわかります。
しかし、薬剤師の仕事は患者さんに感謝してもらうことではなく、患者さんの利益を守ることです。患者さんの利益を守る薬剤師になることで、患者さんから信頼されて感謝されるようになります。
なので、調剤後患者フォローを行い、「患者さんの反応が薄かった」、「大丈夫、ということですぐに電話を切られてしまった」と言う例は、少なくとも「上手くいかなかった例」ではないと思います。

患者さんの「利益」とは、「血圧を140未満にしたい」、「仕事の関係上、眠気の出る薬は困る」、「HbA1c:8.5%以上は仕事に制限がかかるから、それ未満にしたい」、「緑内障を悪化させたくない」といった患者さんの願いです。

調剤後患者フォローが上手くいかなかった例とは

調剤後患者フォローが必要ない、と判断した患者さんが、実は必要な患者さんだった場合です。
たとえば、今までボグリボース錠0.3mgを1日3回服用し、その後セイブル錠50mgを1日3回服用し、その間一度も腹部症状のなかった患者さんが、セイブル錠75mg 1日3回に増量したとします。
今まで一度も腹部症状がなかったので、今回も問題ないと判断して調剤後患者フォローをしなかったが、次に来局した際にお腹が張って生活に支障が出ていたいました。
このケースは稀なケースではありますが、こういったケースが「上手くいかなかった例」だと思います。

ここで、若手薬剤師がよく悩むことについて、個人的な考えを述べたいと思います。
これらは、私も不安に思ったり悩んだことです。

若手薬剤師が不安になることや悩むこと

・コミュニケーション能力や知識が不足
・患者さんにどのように接すれば良いか
・薬歴記入のための服薬指導

コミュニケーション能力不足・接し方に悩む場合

私が取り入れたのは心理学を学ぶことでした。しっかり学んだわけではなく、本を数冊読んだだけですが、心理学を取り入れた服薬指導を始めたら、患者さんに受け入れてもらえる回数が増えたと思います。
海外のように、患者さんからの薬剤師の信頼度が低い日本では、患者さんに受け入れてもらうためには薬剤師側の努力がとても大切です。

患者さんに受け入れてもらえるような話し方の勉強をする必要があると思います。
「薬の専門家である薬剤師が指導することをなぜ聞かないの?」、「せっかく患者さんのためになることを話しているのに」と、考えている薬剤師もいると思いますが、そもそも信頼していない薬剤師からの指導を、患者さんが受け入れなくても不思議ではありません。

例えば営業職の人が、飛び込みの営業をかける時に、製品のアピールだけしても契約には繋がらないと思います。飛び込み先の担当者にまず自分を受け入れてもらい、それから製品をアピールする流れになると思います。
これは薬剤師も同じだと私は考えています。

日本のような環境では、指導する薬剤師の人間性を知ってもらうことから始める必要があると思います。それから薬剤師が持っている病気や生活指導の能力、服薬指導力が積み重なって、患者さんへの影響力を高めることができると考えます。
そして、結婚する、世間体を考えて生活するなどの人間としての成長や、薬剤師としての経験によって解消されることもあると思います。

知識不足に悩む場合

勉強していない薬剤師が多いように思います。
もしくは、勉強をしていても知識を入れただけで、それをどうやって患者さんに伝えるかを考えていない薬剤師が多いと思います。

たとえば最近の話題ですと、「ファイザー社が開発した新型コロナウイルスのワクチンの有効率が90%以上である」という知識を得たとします。
そして、患者さんから「新型コロナウイルスのワクチンができたみだいだけど、打てば9割の人がコロナにかからないの?」と質問を受けたら、あなたはどのように説明しますか? ここまで考えて勉強していますか?
患者さんに伝えるところまで考えて勉強したと言えると思います。

私ならば「新型コロナウイルスのワクチンですが、ワクチンをしなかった集団とワクチンをした集団に分けて、ワクチン接種しなかった集団で100人が新型コロナウイルスを発症し、ワクチン接種をした集団で10人が発症した場合に有効率が90%ということです。100人がワクチンを摂取して90%以上の人が発症しない、つまり発症者が10人未満になる、ということではないです。
さらに、ワクチンの効果は感染したかどうかではなく、発症したかどうかで判断しています。」と話し、その後個人的な見解を話します。

薬歴を記入するための服薬指導

薬歴記入にストレスを感じるのは、「記入の面倒臭さ」と「服薬指導をできなかったから記入ができない」時だと思います。
後者は、「薬剤師能力が足りないために生じるもの」と、「話をしない患者さんにも薬歴記入を求められるもの」に分けることができると思います。

「薬剤師能力」は勉強を重ねて薬剤師として成長することによって解消されていくと思います。

「話をしない患者さんの薬歴記入」に関しては、割り切る必要があると思います。「こちらが話したことを患者さんが聞いてくれる」と期待しないことが大切です。私は期待していません。 薬剤師としてしなければならない指導をするだけです。患者さんが聞いていなかったとしても、その状況と指導内容を薬歴に記入します。
私は、そういった患者さんにかける時間があるならば、他の患者さんに時間をかけます。もちろん、普段話をしない患者さんから頼りにされた時には丁寧に対応します。

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