服薬指導

『早食いやドカ食い』をする患者さんへの服薬指導【例文を挙げて】


こんにちは。 マサです。

調剤薬局にて薬剤師として働いています。

私の薬局には、糖尿病患者さんが多くいらっしゃいます。
糖尿病患者さんは『早食いやドカ食い』をしている方が多いです。特に働いている方に多いです。
私が服薬指導で患者さんに指導するセリフを記事にしました。

 

『早食いやドカ食い』をする患者さんへの服薬指導

早食いを減らすために

・一口の量を減らしましょう。早食いの方は噛む回数が少ないです。一度に多くの量を口に入れてしまうと、噛む回数が少ないことも重なって、結果として早食いになってしまいます。

・『30回噛む』ことを実行できればよいですが、難しいならば口の中に食べ物がある間は、新しい食べ物を口に入れないようにしましょう。

・利き手とは反対の手を使って食べる。お箸が良いけれど、難しい場合はフォークやスプーンを使用して食べてください。そうすることで食事にかける時間が長くなります。

・食べることに集中してください。テレビを見ながらの食事やスマートフォンを見ながら、新聞や本を読みながらの食事は、食事よりもテレビ、スマートフォン、新聞、本に集中してしまい、結果として噛む回数が減って早食いとなります。

・一つ口に入れたら、必ずお箸やフォーク、スプーンを置いてください。食べ終えたら再度持つようにすることで、ゆっくり食べるようになります。

・ゆっくり食べる人のペースに合わせて食べることを意識してください。

・食事の時間に余裕を持ちましょう。短い時間で食べることや焦って食べることで早食いになります。

・食材を大きく切って、噛まないといけないようにしましょう。

・調理する時は、柔らかくし過ぎずに歯応えのあるようにしましょう。

・温めることのできる料理は温め、ゆっくりにしか食べられないようにしましょう。

・おかわりは食卓から離れたところに置き、取りに行く時間を作るようにしましょう。

ドカ食いを減らすために

・仕事の終わりが遅いことで異常にお腹が空いた状態で食べるとドカ食いになります。仕事の途中や帰宅途中で食べることで、異常な空腹での食事をしないようにしましょう。理想は食事と食事の間隔が6時間です。(朝食6時、昼食12時、夕食18時)

・1日3食食べるようにしましょう。1日2食に減らすと、食事間隔が空いてしまい、ドカ食いの原因になったり、1食で食べる量が増えやすくなります。もし1日2食にしたいのであれば、朝と昼(その日の最初の食事と次の食事)にしてください。夕食(その日の最後の食事)に食べてしまうと過食に繋がりますし、体重増加にも繋がります。

・ひどくお腹が空いた状態ではドカ食いになります。食事の30分以上前に飴玉1個またはチョコレート1かけら、クッキー1枚、お煎餅1枚を食べ、それからコップ1杯の水やお茶を飲んでください。そうすることで、食事の際にひどくお腹が空いた状態を防ぐことができます。ガムでも構いません。職場から自宅までが30分程度以上の方は、職場を出る時に口にすると良いです。

・食事の5分以上前に炭酸水を飲みましょう。お腹が膨らむのでドカ食いを減らせます。

・食事前のアルコールを控えましょう。アルコールによって胃の動きが増してドカ食いになります。もし、アルコールを飲んだ方が食事量が減るのであれば、食前に飲酒してください。

・大皿から取る1回量を少なくしましょう。おかわりは一皿食べてからにして、食べられる分だけ何回かに分けてお皿に取ってください。

・毎食決まった時間に食べるようにしましょう。そうすることで、食事量が決まりやすくなります。交代勤務の方は、そのシフトの中で食事時間を決めてください。

・おかわりは食卓から離れたところに置き、取りに行くのは面倒臭いから取りに行くならならやめよう、となるようにしましょう。

・お惣菜を購入する時や買い物をする時は、お腹が空いた状態を避けてください。過剰に買ってしまいます。仕事帰りのお腹が空いた状態での買い物になるのであれば、空腹状態を避けるために、スーパーに向かう前にコップ2杯の多めの水分補給をしてからや、飴玉1個またはチョコレート1かけら、クッキー1枚、お煎餅1枚などを食べ、それからコップ1杯の水やお茶を飲んでからにしてください。

・食事を最初から少量しか作らないようにし、お腹が空いても何も食べるものがないようにしましょう。もしどうしても食べたいならば、食べても影響が少ないこんにゃくゼリーや豆腐、きゅうり、納豆、コンビニで売っているチキンサラダ、アイスならばICEBOXのグレープフルーツ味などを購入しておくことをオススメします。ただし、食べる習慣ができてしまわないように、予め1週間に2回まで、多くても3回までと回数を決め、1回1種類と決めて購入することをオススメします。

・栄養バランスを考えて食事をしましょう。何かの栄養素が不足していると、それを摂ろうとして空腹になりますし、満たされるまで体が満足しません。不足している栄養素を多く摂取するために過食になる可能性があります。

・ストレスで食べたくなるのは、日頃から食べることを我慢しているためです。しかし、体重を減らすため、血糖値を下げるため、コレステロールを下げるため、血圧を下げるために我慢する必要があります。多くの方がストレスで食べ過ぎた後に罪悪感にさいなまれ、食べた後の満足感を得ていません。ストレスで食べたくなった時には、本当に食べたいものを考えて食べてください。量ではなくて質が大切です。普段より高価なものを少量食べることをオススメします。

・夜遅く、就寝2~3時間前に夕食をとる生活が習慣化すると、脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンがうまく働かなくなります。レプチンは満腹中枢に働きかけて食欲を抑制しますので、レプチンがうまく働かない方は過食につながります。この現象は「夜食症候群」と呼ばれ、メタボリックシンドロームをまねきやすい生活習慣のひとつです。

 

『早食いやドカ食い』をする患者さん

『早食いやドカ食い』をする患者さんは、意識してそうなろうとしているわけではありません。みなさん頭では『早食いやドカ食い』を控えるようにわかっています。
しかし、『今までの習慣』や『つい』、『今日だけは』、『明日から』と甘えてしまいます。気持ちはわかります。
なので、服薬指導では、なるべくそういった精神論ではなくて、『早食いやドカ食い』にならない環境にするにはどうするか、を考えて指導することをオススメします。
とは言いつつ、上記のセリフの中には精神論もあります。
もちろん、患者さん教育は必要なので、食べすぎることでどういったリスクがあるかを指導することは必要です。体重が増えれば、将来の高血圧、脂質異常症、糖尿病、心臓疾患、脳疾患などのさまざまな病気を引き起こします。また、既にそういった病気を持っている方であれば、数値の悪化、薬の増量、心疾患や脳疾患の再発リスクを大きく高めることになります。
糖尿病と高血圧や糖尿病と脂質異常症の持病がある患者さんとお話をしていて思うことがあります。それは、みなさん糖尿病という病気に重きをおいて、血圧や脂質への注意が疎かになっていることです。食べ過ぎは血圧上昇や脂質上昇に繋がります。日本人においては、血圧上昇は糖尿病よりも脳疾患や腎臓疾患、認知症のリスクを高めます。
早食いやドカ食いが体重にだけ悪影響ではなく、その他の疾患にも悪影響を及ぼすことを理解する必要があると思います。

神経性過食症とは区別が必要

神経性過食症は病気です。

神経性過食症は,反復的な過食エピソードに続いて排出(自己誘発性嘔吐,下剤もしくは利尿薬の乱用),絶食,または衝動的運動などいくつかのタイプの不適切な代償行動により特徴づけられている;3カ月にわたり週1回以上の頻度でエピソードがみられる必要がある。診断は病歴と診察に基づく。治療は精神療法および抗うつ薬による。(MSDマニュアルより)

とされています。
神経性過食症を疑った場合は病院受診をオススメしてください。

神経性過食症の診断
医学上は主にアメリカ精神医学会のDSM-5という診断基準を目安にしていますが、様々な病態があるため、必ずこれに当てはまらないといけないというわけではありません。実際の診療では、患者さんの心理状態や生活状況なども合わせ、過食が病的なものかどうかを判断していきます。

A.反復する過食エピソード、過食エピソードが以下の両方によって特徴づけられる。
1.他とははっきり区別される時間帯に、ほとんどの人が同様の状況で同様の時間内に食べる量よりも明らかに多い食物を食べる。

2.過食のエピソードの間は、食べるのをやめることができない、または、食べる物の種類や量を抑制できない。

B.体重の増加を防ぐための反復する不適切な代償行動、例えば、自己誘発性嘔吐、下剤、利尿薬、その他の医薬品の乱用、絶食、過剰な運動など。

C.過食と不適切な代償行動がともに平均して3ヶ月にわたって少なくとも週1回は起こっている。

D.自己評価が体型および体重の影響を過度に受けている。

E.その障害は、神経性やせ症のエピソードの期間にのみ起こるものではない。

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