服薬指導

【簡単】薬剤師の服薬指導「甲状腺:バセドウ病②」


こんにちは。 マサです。

調剤薬局にて薬剤師をしています。

私が勤務している薬局は甲状腺と糖尿病の患者さんが多くいらっしゃいます。

今回はバセドウ病患者さんからよく受ける質問とその回答をまとめました。
回答は、私が患者さんに説明する時にお話しする内容です。

 

患者さんから受ける質問

バセドウ病の薬には2種類あると聞いたけれど、どちらが良いの? どう違うの?

マサ
妊娠中や妊活中、妊娠する可能性、授乳などがなければ、第一選択はチアマゾールです。
理由は、1日1回の服用で効果が安定するため服用しやすい、プロピルチオウラシルよりも効果が強い、副作用の頻度がプロピルチオウラシルよりも少ないからです。

チアマゾールにて注意すべき副作用は無顆粒球症ですが、プロピルチオウラシルと比べても頻度が多いわけではないです。関節痛や薬疹の頻度も差がありません。

プロピルチオウラシルでは、肝機能障害の副作用がチアマゾールよりも多く注意が必要です。総合的に判断して、服用がラクで、効果が安定しやすく、副作用が少ないチアマゾールが選ばれます。

 

お薬はいつ中止できるの? もし勝手に薬を中止したらどうなるの?

治療開始2年以内

マサ
TRAbという数値が正常化していて、甲状腺ホルモン値とTSHが安定していれば、治療開始後2年程度で中止に向けてお薬量を調節するかもしれません。
自己中断した場合、1ヶ月から数ヶ月で症状が出始めると思います。

中止できる患者さんの割合は5割です。中止に向かう場合は、お薬を1日1回隔日服用に減らしても状態がコントロールされているかどうかを確認します。確認期間は半年から1年です。

治療開始2年以上

マサ
中止に入っていない場合、中止すると再発する可能性が高いと思います。なので中止は難しいと考えます。ただ、なかには3年程度で中止に向けたお薬の調節をすることもありますので、医師に確認することをオススメします。
自己中断した場合、数ヶ月で症状が出始めると思います。

 

抗甲状腺ホルモン薬と甲状腺ホルモン薬を併用する理由は?

3つの理由が考えられます。

マサ
・1つは甲状腺ホルモンの治療域が狭いため、抗甲状腺薬を増量すると甲状腺ホルモン量が不足し、反対に抗甲状腺薬を減量すると甲状腺ホルモン量が過剰となってしまう場合です。安定させるために多めの抗甲状腺薬を使用し、不足したホルモン量を補充します。

・1つはTSH受容体抗体が高値であるため、大量の抗甲状腺薬を必要としています。ただ、大量に使用すると甲状腺ホルモン量が不足するため、不足したホルモン量を補充するために甲状腺ホルモン薬を併用します。

・1つはFT3を正常化させようとするとFT4が低値となり、FT4を正常化させようとするとFT3が高値となってしまう場合に、FT3を正常化させる量の抗甲状腺薬を使用し、不足したFT4を甲状腺ホルモン薬にて補充します。


まずはTSH受容体抗体が落ち着かせる必要があります。
 

検査結果を見たら、肝臓の数値が高くて腎臓の機能が低いけれど、大丈夫なの?

マサ
バセドウ病がコントロールされていない時は肝臓の数値が高くなることがあります。医師はそれを承知しています。もし治療を開始してから上昇した場合ですが、2回連続してAST・ALT≧100、総ビリルビン≧1.5-2.0mg/dLが認められた時には、薬の中止が必要です。

マサ
また、バセドウ病がコントロールされていない時は筋肉量が減っている状態です。なので、どうしても筋肉量の影響を受ける腎機能の指標であるクレアチニンが低値になります。これらはバセドウ病の治療によって正常化しますので、心配しなくて良いです。

 

お薬を開始したら髪の毛が薄くなった気がします。お薬の副作用?

マサ
多くの場合は副作用ではありません。甲状腺が落ち着いてきたことで髪の毛の代謝も安定します。それによる一時的な症状です。しばらくすれば戻ると思います。

 

血尿が見つかったので専門医を受診するように指示がありました。心配な状態なのですか?

マサ
多くの場合は甲状腺の影響とは無関係であると思います。しかし、まれに抗甲状腺薬による副作用で血管炎が起こり、腎臓の炎症を引き起こして血尿が出ることがあります。
ただ、この副作用は2万人に1人から1万人に1人弱の割合と極めてまれです。可能性は極めて低いですが、確認することが大切です。

もしお薬の副作用が原因の血尿であった場合、腎臓やその他の臓器に深刻な障害を引き起こし、命にかかわることがあります。
 

食事で注意すべきことや日常で注意すべきことはありますか?(海藻類、ヨード、運動、大きな生活変化について)

マサ
甲状腺が安定していない間は、飲酒をしても良いですが酔わない程度にしてください。また、喫煙・副流煙があるとお薬を止めにくいというデータがあります。
甲状腺が安定していれば、激しい運動をしても構いません。バセドウ病の治療をしているプロスポーツ選手もいらっしゃいます。

マサ
海藻類を食べても構いません。風邪や一時的な消毒のために使用するならば良いですが、イソジンうがい液などを毎日定期的に使用することは控えるようにしてください。

マサ
転職、大きなストレス、生活リズムの変化(交代勤務になる)などで、安定していた状態が乱れることがあります。変化がありそうな時には体重減少や動悸、震えなどの症状に注意し、症状が出たらすぐに受診してください。

 

バセドウ病は遺伝しますか?

マサ
遺伝します。
一般的なバセドウ病の発症率は、女性で0.33%、男性で0.067%ですが、バセドウ病の親(血縁者)から生まれた女性は6.5-13%、男性は1.3%-2.7%程度と高くなります。

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