『嫌いな患者さん』はいませんか?
私はいます。でもその患者さんへの服薬指導にストレスを感じません。
こんにちは。 マサです。
つい先日、本屋さんに行って衝動的に一冊の本を購入しました。 この本が私を変えてくれました。
私は短気な人間です。そして、何か嫌なことがあると自分のせいではなく、相手のせいにしたくなる人間です。
そして、怒ったり嫌なことがあったりすると大きなストレスになり、その後はなにもする気がなくなります。それがまたストレスになります。
普段はあまりストレスを感じないのですが、こういった時にはとても大きなストレスを感じます。
なんとかしたいな、と考えていた時にその本に出会いました。
嫌いな患者さんが好きになる:【結論】患者さんに興味を持つ
あなたは『嫌いな患者さん』のことを、なぜ嫌いになったのですか?
・いつも怒っているから
・話しかけても無視するから
・自分勝手に話をするから
・混雑しているのに、いつも話が長いから
・嫌な対応をされたことがあるから
など、理由は様々あると思います。
結局はその患者さんに服薬指導をすることで、自分が嫌な気持ちになるからです。
自分本位ではなく、患者さん本位になったら嫌いな患者さんを好きになりました。
私の嫌いな患者さん
私も以前はある患者さんの服薬指導にストレスを感じていました。できれば服薬指導をしたくない、と考えていました。
理由は、機嫌の良い日と悪い日の差が大きく、こちらが笑顔で話しかけても無反応。苛々して素っ気ない対応をとります。しかしある日は、とてもニコニコして患者さんから話しかけてきます。ただ、多くは苛々して素っ気ない対応です。
また別の患者さんは、「説明は要らない。薬をもらえれば良い。待ちたくない。」、「薬をもらうのに、なんで管理料などが発生するのかわからない。」と思ったことをすぐに口に出します。不満ばかりを聞くと嫌な気持ちになります。
そんな患者さんとは関わりたくない、と思いませんか?
そして、本を読んで気付きました。『なぜこの患者さんはこんな対応なんだろう」と、今まで患者さんのことを考えたことがなかったな、と。
それから嫌いだった患者さんの服薬指導になった時に、まず『患者さんに興味を持とう』と意識しました。そうして分かったことがあります。
それは、機嫌の良い日と悪い日の差の大きい患者さんは、おそらく『数値が悪いことで、先生に怒られた日は機嫌が悪く、褒めてもらえた日は機嫌が良い』ということです。機嫌の悪い日が多いというのも、その方を見ればなんとなく納得がいきました。そうしたら、『先生に怒られて辛いんだろうな』と、同情する気持ちになりました。
また、もう一人の思ったことをすぐ口にする患者さんにも、興味を持って服薬指導をしたら分かったことがあります。
それは、その患者さんはとても素直な方、ということです。裏表がなく、悪意を持って言葉を発しているのではなく、何も考えずに思ったことを口に出していました。
そうしたら、『悪い人ではなくて、子供のように素直な方なんだ』と、今までの対応に納得しました。
要するに、『こちらの考え方次第で、嫌いな患者さんも好意的に捉えることができる』とわかりました。
『嫌だな』と思ったときの対処法
私はできた人間ではありません。なので咄嗟に『嫌だな』と思うことがあります。
そんな時には、こう考えるようにしています。
「こんな時もあるよな」
「何をしてもうまくいかない日もあるよな」
「この気持ちには必ず終わりがあるから、今はそう思っても仕方ないかな」
そして、『嫌だな』と思ってしまった自分を反省し、そうならない人間になるように日々意識を変えていこう、と考えます。
『そんな簡単にできないよ』と思うかもしれません。その通りだと思います。
ただ、負の感情を持っていても何も生み出さないですよね。ストレスを抱えたままでは良いことがありませんよね。楽しい気持ちでいた方が人生も楽しいですよね。なので日々意識することが大切です。
あなたのことを周りがどの様に見ているか、考えたことがありますか?
嫌いな患者さんとの服薬指導を終えたあなたはどんな様子ですか? 苛々していませんか? 落ち込んでいる様に見えませんか?
そんなあなたを周りはどのように見ているでしょうか。
スタッフからは『苛々しているように見えるから、今は近づかないようにしよう』、『すぐに苛々するから声をかけにくい』、『私も苛々させてしまっているかも』などと一歩引いて見られているかもしれません。
また患者さんからは、『あの薬剤師は苛々していて嫌だな』、『あの薬剤師は態度が悪い』、『あの薬剤師と話をすると、こちらまで気持ちが暗くなる』と、あなたが嫌いに思っている患者さんと同じように、周りがあなたのことを見ているかもしれません。
そんなふうに見られることを、あなたは望んでいませんよね。
反対に、誰もが服薬指導をしたくない患者さんに対して、あなたが平然と服薬指導をしていたら、周りのスタッフはあなたのことを尊敬すると思います。そして、あなたも嫌な気持ちでなかったら、スタッフもあなたも皆んなが幸せです。
患者さんに怒られた話
以前、解熱剤が20錠処方されていたところ、10錠しかお渡ししなかったことがあります。
私の薬局ではお昼に毎日在庫数えをしていますので、翌日になってお渡し忘れに気づき、患者さんのお宅に不足分をお渡しに伺いました。
調剤間違いをした患者さんは18歳の女性でした。不足分をお渡しにお宅に伺った際に対応してくださったのはお父様でした。
そのお父様は、「薬の渡し間違いなんてあってはならないこと。どうやって責任を取るつもりだね。訴えても良いんだよ。」と激しく怒っていました。
当時私が思ったことは、「薬の渡し間違いはあったけれど間違った薬ではないし、翌日に気づいたので不足して困ることもなかった。なぜそこまで怒るのかわからない」でした。 今考えると、そう思った自分が恥ずかしいです。なぜなら、『まず薬剤師なので薬の渡し間違いがあってはならない』、『親ならばお子さんのことを心配して当然。怒っても仕方がない』、『患者さんは薬剤師が渡す薬を信頼して服用する。その信頼を裏切ってしまっては怒っても当然』だからです。
もし、『そんなに怒ることないだろう』という気持ちでいれば、苛々するでしょうし、ストレスを感じると思います。ですが、『こちらに間違いがあったのは事実。相手の言っていることを受け入れよう』という気持ちがあれば、次に同じ間違いをする可能性を0に近づけます。どちらが自分の成長につながるでしょうか。きっと後者ですよね。結局自分の考え方で、自分が成長するのかしないのか、ストレスを感じる人生なのかそうでないのか、が決まります。
なので私は、今まで『嫌だな』と考えていた患者さんにも積極的に服薬指導を行い、自分を磨くようにしています。
あなたはどんな人間になりたいですか?
私は『相手本位に考え、常にポジティブに考える人間』になります。