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改良型超速攻型インスリン「ルムジェブ注」と「フィアスプ注」の違い


こんにちは。 マサです。

調剤薬局にて薬剤師として働いています。

今回は2020年に発売された超速攻型インスリン製剤である「フィアスプ注」と「ルムジェブ注」の違いを記事にします。

「フィアスプ注」はノボノルディスクファーマ社から発売され、「ルムジェブ注」はイーライリリー社から発売されました。
両社は既に超速攻型の「ノボラピット注」(ノボノルディスクファーマ社)と「ヒューマログ注」(イーライリリー社)を発売しています。

超速攻型が発売された時には、従来の速攻型(R注)よりも効果発現が早いということで、健常人のインスリン分泌パターンと似ることを期待されてとても歓迎されました。しかし、超速攻型が発売されてもなお、健常人のインスリン分泌パターンとは差があると言われていました。

今回のルムジェブとフィアスプの発売により、より健常人に近い血糖値推移になることを期待されています。

下記は今年発表された臨床試験の結果を参考にしています。
ただ、この試験を実施したのがイーライリリー社になりますので、そのことを承知してお読みください。

「フィアスプ注」と「ノボラピット注」、「ヒューマログ注」との比較

「フィアスプ注」は「ノボラピット注」と比較して8分効果発現が早い。「ヒューマログ注」と比較して6分効果発現が早い。

「フィアスプ注」は「ノボラピット注」と「ヒューマログ注」よりも消失が約5分早い。
 

「ルムジェブ注」と「ノボラピット注」、「ヒューマログ注」との比較

「ルムジェブ」は「ノボラピット注」と比較して14分効果発現が早い。「ヒューマログ注」と比較して12分効果発現が早い。

「ルムジェブ 」は「ノボラピット注」と「ヒューマログ注」よりも消失が約50分早い。
 

「フィアスプ注」と「ルムジェブ注」の比較

「ルムジェブ注」は「フィアスプ注」と比較して6分効果発現が早い。

「ルムジェブ注」は「フィアスプ注」と比較して消失が約45分早い。

「ルムジェブ注」と「フィアスプ注」は従来の超速攻型よりも健常人のインスリン分泌パターンに近づけることができます。
ただ、効果発現の速さとインスリン消失の速さで「ルムジェブ注」の方が「フィアスプ注」よりも優れています。
 

薬価

「フィアスプ注」 1893円/キット
「ルムジェブ注」 1400円/キット
 

まとめ

発売から1年間は2週間処方が基本となります。その制限が撤廃された際には、新規に使用される超速攻型は「ルムジェブ注」と「フィアスプ注」になると思います。

今回の改良型超速攻型は十分に食事ができるか心配な患者さんにおいて、食事を食べてから注射をしても従来の超速攻型を食前使用した場合と同様な効果が期待できます。これはとても大きな価値だと思います。
そして、「ルムジェブ注」と「フィアスプ注」のどちらを選択するかというと、効果発現時間と消失時間、薬価を考慮すると「ルムジェブ注」になると思います。さらに、「ルムジェブ注」は間食の時に追加注射する時でも、その効果発現時間の速さと消失時間の速さが「フィアスプ注」よりも優位になると思います。
もし「フィアスプ注」を選ぶのであれば、「ルムジェブ注」では食事中や食直後に低血糖を生じてしまう方や、間食の際に追加投与しない患者さんにおいて「ルムジェブ注」よりも効果発現までの時間が遅いことや、消失が遅いことが有利に働くと思います。

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