こんにちは。 マサです。
調剤薬局にて薬剤師をしています。
あなたは、毎日の服薬指導において、『この患者さんはやる気はあるけど何も行動しない』と思うことはありませんか?
今回はそのことを記事にしたいと思います。
・やる気はあるけれど行動しない患者さんを、行動させる方法
・ものごとは上手くいかないことが普通
・ものごとは実際に行動しながら改善していくことで上手くいく
・やる気はあるけれど行動しない患者さんへの服薬指導
・行動してはいけない患者さん
・まとめ
やる気はあるけれど行動しない患者さんを、行動させる方法
人間が行動する場合、まずやることを大まかに考えて、あとは実際に行動しながら修正していく人と、最初にしっかり計画を立ててからでないと行動できない人がいます。
やる気があるのに行動しない方は後者になると思います。
もちろん後者の人でも上手くいく人はいます。
ですが、1から10までしっかり計画を立ててからでないと行動しないため、計画に問題があると計画を立て直すことを優先してしまい行動に移りません。
また、計画を立てることを楽しんでしまったり、計画を立てる時間がないために行動に移らなかったりします。
なぜしっかり計画を立ててからでないと行動できないと思いますか?
『もし上手くいかなかったらどうしよう』、『もし計画通りに行っても結果が出なかったらどうしよう』、と考え過ぎてしまうのかもしれません。
または、ただ単に計画を立ててからでないと行動できないのかもしれません。
そう言った患者さんに伝えたいことは、
『ものごとは上手くいかないことが普通』です。そのため、『ものごとは行動しながら調整していくことで上手くいく』ということを知ってもらう必要があります。
ものごとは上手くいかないことが普通
「最初から上手くいくわけないでしょ」という言葉を耳にすることがありませんか?
あなたも使ったことのある言葉だと思います。ですが、自分のこととなるとそれを忘れてしまいがちです。
例えば、プロ野球選手を思い浮かべてください。
ピッチャーが投げるのを見ながらタイミングを取り、足を上げ、理想的な角度でバットを振る。
歴代のホームランバッターの打撃フォームを覚えれば、ホームランを打てますか? 打てませんよね。
数学の公式を覚えれば必ずテストで100点を取れますか? 取れませんよね。
同様に、患者さんが十分と思える計画を立てて実行しても、最初からうまくいくことばかりではありません。なので、上手くいかないことが当たり前で、行動しながら自分に合うように変えていくことが大切です。最初からうまくいけば、それはそれでラッキーです。
ものごとは実際に行動しながら改善していくことで上手くいく
『ものごとは上手くいかないことが普通』で例に挙げたように、すぐにホームランが打てるわけではありません。自分にあったフォームを練習や試合をしながら覚えます。
数学の公式も、実際に練習問題を解いたり、テストで使用しながらその公式の使い方を覚えます。間違えて覚えることも多々あります。
要するに、人間は上手くいかなかった時に、どうすれば上手くいくのかを考え、行動しながら改善していくことが成功への近道です。
上手くいかないかもしれないことを承知で行動するかな?、と心配になりますよね。
そこで、利用するのが人間の心理です。
やる気はあるけれど行動しない患者さんへの服薬指導
日本人の多くは、人と同じであることを好む方が多く、アメリカ人は人と同じよりも個人が優れていることを好む方が多いです。この習性を利用します。
例えば、糖尿病患者さんへの服薬指導(日本人気質な患者さん)

例えば、朝にバナナ2本を食べて体重は減ったけれど、血糖値が高くなったことで、体重が減っても内容が悪ければ血糖値が悪くなることを知った患者さんがいます。

例えば、血圧の患者さんへの服薬指導(アメリカ人気質な患者さん)

心配症な患者さんであれば、「試す前に一度連絡をください。そうすれば、私が判断して、上手くいくようにアドバイスします。そうすることで成功しやすくなります。」と伝えれば良いと思います。
それでも心配な患者さんであれば、自分の経験を話します。

ですが、ブログを読んでくれる方が増えないかもしれません。ただ、そうであったとしても、ブログを始める前と変わらないだけでマイナスになることはありません。
ブログの導入費用などは無駄になるかもしれませんが、ブログを始めて得たことの方がはるかに多いと思います。
患者さんも、努力したことが上手くいかず、一時的に血糖値が悪くなることがあるかもしれません。でも、元の生活に戻せば血糖値も戻ることがほとんどです。それよりも、上手くいかなかったことから学ぶことの方がはるかに多いと思います。
やはり、行動しながら考えませんか。
行動してはいけない患者さん
注意して欲しいのが、当たり前ではありますが、行動してはいけない患者さんを見極めることです。
稀ではありますが、精神的に難しい状態の方は行動させない方が良い時があります。
本日いらっしゃった患者さんです
『1ヶ月前に、かかりつけ医から「このままではダメだから本気で注意しましょう」と指導を受けたので2週間努力して、今までしていた間食を止めて食事量も減らした。順調に体重も減っていたけれど、2週間過ぎた時に大きなストレスがあって爆食してしまい、結局1ヶ月前よりも悪い状態になってしまった。』という患者さんでした。
私は「ストレスで食べてしまうのは半分正解で半分は間違いです。食べること以外にストレス発散方法がないだけです。ストレス発散方法を見つけましょう。」と言ってしまいました。しかしその後の話で、その患者さんは普段何も言わないご主人から、「今までに見たことのないようなおかしな状態になっている。このままでは精神が病んでしまう。」と言われていたことがわかりました。
私は、頑張ってはいけない時に頑張らせようとするところでした。
患者さんの辛い状態だったことを知ってから、「その時は精神を病まないために食べて正解でした。頑張らなくてよかったです。」と伝えました。
あなたも薬剤師であれば、頑張ってはいけない患者さんがわかると思います。その時は、頑張らせないでください。
今回のことがあったので、これからはまず、「注意した方が良いですが、新しいことを始める精神的な余裕がありますか?」と聞きます。
まとめ
・精神的に難しい状態の患者さんは行動させない方が良い時がある