こんにちは。 マサです。
『薬剤師は不要』という言葉を耳にすることはありませんか?
これを聞くと悲しい気持ちになります。
私は薬剤師になって15年です。一年に何回かこの言葉を聞きます。
なぜそういう言葉が出てくるのか、私なりに考えました。
目次
・『薬剤師は不要』と言われる理由は3つ!!
・最初から薬剤師の説明が不要と考える患者さん
・医師会から聞こえてくる薬剤師は不要
・薬剤師が原因
・最後に
『薬剤師は不要』と言われる理由は3つ
『薬剤師が不要』と言われる理由は以下の3つだと思います。
1.最初から薬剤師の説明が不要と考えている患者さん
2.医師会が『医薬分業の見直し』という言葉を使って、間接的に薬剤師不要を訴える
3.薬剤師自らが原因となっている場合
それぞれについて説明したいと思います。
1.最初から薬剤師の説明が不要と考えている患者さん
これはどうしようもないです。
「医師と話をしている」、「薬がもらえれば良い」、「利便性を考えると院内処方が良い」、と考える患者さんは必ずいます。
電気店に行って店員さんと話をしないで購入する方、携帯電話の契約に行き、店員さんと相談せずに要望だけを伝える方など、どんな業種にも少なからずいると思います。
2.医師会が『医薬分業の見直し』という言葉を使って、間接的に薬剤師不要を訴える
薬剤師も医師も、患者さんと保険から代金をいただきます。その代金を医師は診療報酬、薬剤師は調剤報酬によって決められています。
この報酬は現在の医療費(国の税金)などを考慮して決まっています。
高齢化が進んでいる現在、どうしても治療を受ける患者さんや薬を使用する患者さんが増えます。そのため医療費が増えます。
医療費が増えると国が破産してしまうので、医療費を減らそうとします。
もちろん、医師も薬剤師も利益がほしいため、自分たちの報酬を削られたくありません。しかし、削らないと国が破産してしまいます。
国は破産しないように薬価改定や診療報酬、調剤報酬を改定することで医療費を調節します。
そこで医師会は、『国の税金を使用しているので、調剤チェーン店が儲かっているのはおかしい』と考え、薬剤師の調剤報酬を削るようにします。そして、削った分を医師会に配分されるようにします。
医師会は『税金を使用しているので利益を求めるのはおかしい』と言います。『利益を求めるのがおかしい』と考えるのであれば、『医師も利益を求めてはいけない』ということになります。そこで言われるのが、『責任に対する対価』です。
確かに医師は、薬剤師よりも高度な診療をしており責任も大きいです。その対価を求めるのは当然です。
ではなぜ、薬剤師に『責任とそれに対する対価』の考えが出てこないのでしょうか?
ここが最大の理由のように思います。この答えが下の3につながっていると考えています。
3.薬剤師が原因
薬剤師が薬剤師らしい仕事をしていないことが最大の原因です。
「毎回同じことを聞かれる」、「毎回同じことを説明される」、「ちょっと確認されただけで管理料を算定された」という患者さんの不満が『薬剤師不要』につながっていると思います。また、医師が『医薬分業を見直し』を考える理由もここにあると思います。
なぜ薬剤師は「毎回同じ説明」、「同じ確認」になるのでしょうか。
「毎回同じ確認」はどうしても大切なことだから毎回確認している可能性があります。「毎回同じ説明」も何度も伝えて認識してもらう必要があるからかもしれません。
私が問題と考えているのは、薬剤師に知識がないことで「同じ確認」、「同じ説明」になっている場合です。
私は当社以外の薬剤師と交流を持つことがあります。外部の勉強会に出席すると、意識の高い薬剤師、知識のある薬剤師と出会います。代金を支払って参加する勉強会であれば、なおさらそういった薬剤師と出会います。しかし、そうでない薬剤師とも多く出会います。それは全く勉強しない薬剤師、全く知識のない薬剤師です。
医師と薬剤師では、大学のうちに勉強する内容と量が大きく違います。圧倒的に医師の方が多いです。その医師が病気を診察して薬を処方するのであれば、薬剤師は薬剤師になってから多くの勉強をしなければならないと思います。それをしない薬剤師が患者さんと向き合い服薬指導をするため、「毎回同じことを聞かれる」、「毎回同じことを説明される」、「ちょっと確認されただけで管理料を算定された」という不満につながっているのだと思います。
私は、『薬剤師は不要』という声が聞かれる最大の原因は薬剤師にあると考えます。
最後に
しばらく前は、医薬分業を広めていくために、調剤報酬を手厚くして薬局の数を増やせるように法律を変更しました。要するに今まではぬるま湯に浸かっていた状態です。
今では医薬分業を広げ、これからは不要なものを削り集約していく段階に入ります。調剤報酬が厳しくなるのも当たり前です。それが世の中の流れだと思います。
厳しいですが能力のない薬剤師は生き残れません。
『薬剤師は不要』と言われないためにも、一人ひとりが勉強して患者さんからも医師からも必要とされる薬剤師を目指しましょう。
勉強すれば、患者さんから信頼される薬剤師に近づきます。