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薬剤師から『食べていないのに体重が減らない・痩せない方』へ


 

こんにちは。 マサです。

この記事は『食べていないのに体重が減らない。痩せない。』と悩んでいる方に向けて書いています。

『食事に注意している。食べ過ぎていないと思うけれど体重が減らない。痩せない。』と悩んでいませんか?

私は、毎日体重が減らないことに悩んでいる患者さんとお話ししています。その時にお伝えすることを記事にしました。

※体重を減らす方法だけを知りたい方は、『食事注意と運動の努力はどちらを頑張っても良い』、『日常生活や仕事中にできる運動』、『食事時間が遅い、睡眠時間が短い』をお読みください。

 

いつから体重が増えたの?

体重で悩んでいる方に、必ず確認することは『いつから体重が増え始めましたか?』です。

私が普段お話をする方は50歳以上が多いです。その多くの方は、「30歳を過ぎてから」や「40歳を過ぎてから」と答えます。20代の方は、中学生や高校生の頃と比べてください。

 

結論から言えば、痩せていた頃があるならば、今でも痩せられる可能性は十分にあると思います。

なぜなら、痩せない遺伝子の持ち主ではないからです。

残念ながら過去に痩せていたことがない方は、体重が減りにくい遺伝子をお持ちかもしれません。その場合、他の方よりも多く努力する必要があります。ただ、減りにくいだけで減らないわけではありません。

 

痩せていた頃があるならば、今との違いはなにか?

・痩せていた頃と今では、活動量に違いがある?
・痩せていた頃と今では、食事量に違いはある?
・『食事時間が遅い』ことは?
・睡眠時間が短い』ことは?

 

 痩せていた頃と今では、食事量に違いはある?

特に10代は学校の授業などで運動をしたり、通学で歩いたり自転車に乗ったりと自然と多くの活動量があったと思います。活動量が多いということは、消費しているカロリーが多いということです。仕事で体を動かす方は、学生の頃や若い頃と比べても、活動量が減っていないかもしれません。運動をなさる方は、毎日なのか、週に1回なのか、2回なのか、頻度で変わると思います。

数年前から『子供の肥満』が問題になりました。この主な原因が活動量の減少と言われています。今の子供は、一昔前の子供と比べて外で遊ぶよりも、自宅内でゲームをして遊ぶことが増えています。これが活動量減少に繋がります。
 

 痩せていた頃と比べて今の食事量はどうでしょうか?

一般的には10代、20代の頃が最も代謝が良いので、食べても太りにくい年代です。その頃と比べて食事量が変わっていないのであれば、消費するカロリー(消費カロリー)は減っているのに食べているカロリー(摂取カロリー)は変わっていないということになります。
 

 『食事時間が遅い』ことは?

仕事からの帰宅が遅いことや交代勤務のため、夕食から寝るまでの間隔が短くなっている方が多くいます。食事から睡眠までを少なくても3時間以上あけることが大切です。寝ている時は、起きている時よりも消費カロリーが少なくなります。そのため、食事から就寝までの間隔が短くなると、摂取したカロリーを消費しないままになってしまうためどうしても太りやすくなります。
 

『睡眠時間が短い』ことは?

可能であれば睡眠時間を8時間、できれば7時間は確保してほしいです。

睡眠時間が長い方は体から痩せやすいホルモンが出やすいと言われています。どうしても仕事の日は睡眠時間が短くなってしまうのであれば、休日に長く睡眠をとってください。

ただ、注意点として、普段と起床時間は変えず、就寝時間を早くしてください。起床時間を変えてしまうと生活リズムが乱れやすくなります。
 

本当は食べている

毎日、『食事注意をしているけれど痩せない』という患者さんとお話をしていますが、多くの方に自覚がないだけで食べています。

例えば、3回の食事量は注意しているけれど間食の多い方、過去の自分よりも食事量は減っているけれど、同年代と比べると多い方などさまざまです。

患者さんに「ご飯の量を量ったことがありますか?」と伺うと、ほとんどの方が「量ったことはない」とおっしゃいます。40歳以上の女性であれば1食のご飯量は100~120g、男性であれば150g~180g程度が良いと思います。少なく感じる方も多いと思いますが、多くの方はおかずの量が多いため、ご飯量が増えると食べ過ぎになってしまいます。

また、『ご飯を食べればおかずは何を食べても良い』というのは間違いです。脂質の食べ過ぎは体重が増えます。
 

体重は食事量と運動量のバランスで決まる

体重は消費カロリーと摂取カロリーのバランスで決まります。

天秤を思い浮かべてください。右側に消費カロリー、左側に摂取カロリーが載っています。

体重が減らない・痩せない方は、消費カロリーと摂取カロリーが一緒ということです。

摂取カロリーが同じでも、消費カロリーを増やせば痩せます。また、消費カロリーが同じでも、摂取カロリーを減らせば痩せます。

体重を減らすためには、消費するカロリーを増やすか、摂取カロリーを減らすかのどちらか、もしくは両方が必要になります。
 

食事注意と運動の努力はどちらを頑張っても良い

食事注意と、運動の努力はどちらを頑張っても構いません。大切なことは継続できる方法を選ぶことです。ただ、短期間や少ない努力での効果を期待するのであれば食事注意をオススメします。また、どうしても運動する時間のない方や、体に痛みや不都合によって運動できない方は、食事注意での減量を目指しましょう。

・体重1kg減量の目安
・足腰や体力的にウォーキングが難しい方の運動
・『ながら運動』
・夕食時間が遅い方の対処法

 

体重1kg減量の目安

1ヶ月で体重1kgの減量を目指す場合、1日250kcalの減量が必要です。それはご飯150gを減らすか、60分程度のウォーキングをする必要があります。

実践するのであれば、毎食ご飯を3〜4口減らすか、毎食後に20分ウォーキングをする。もしくは毎食ご飯を2口減らし、毎食後10分運動をします。運動は1回で1時間ウォーキングしても良いですし、30分を2回でもかまいません。

 

足腰や体力的にウォーキングが難しい方

ラジオ体操、テレビ体操、ストレッチをオススメします。100kcalの消費カロリーにはならないと思いますが、少しでも消費カロリーを増やすことが大切です。

これらはできる動きだけを行うだけでも良いです。ラジオ体操は第1と第2がありますが、最初は第1だけでも良いです。

ラジオ体操やテレビ体操の時間に都合の悪い方は録画しておいて、都合の良い時間に行っても良いと思います。

 

『ながら運動』

『運動をしたいけれど、運動だけすることに抵抗がある方』や、『雨の日や暑い日、寒い日などはやりにくいなと思う方』もいると思います。そんな方にオススメするのが『ながら運動』です。

『ながら運動』はテレビや映画、YouTube、読書しながらの運動です。

『ながら運動』の良いところは同じ時間で2つ以上のことを楽しめることです。

私はエアロバイクを購入してテレビや映画を見ながら行いました。そうすることで、運動を行うストレスが大きく減りました。また、室内で行えることで天候の影響を受けないことや、エアコンを活用することで気温の影響を受けない良さがあります。さらに、仕事から帰ってきてからもう一度外へ出ることに抵抗のある方や、夜に外へ出ることが怖い方にもエアロバイクをオススメします。膝や腰への負担も少ないです。

 

夕食時間が遅い方の対処法

・夕食を軽食にする
・夕食を2回に分ける
・夕食前につまみ食い

 

夕食を軽食にする

欠食してしまうと太りやすい体になるかもしれません。

例えば野菜として葉物の野菜や食物繊維を添加していない野菜ジュース※、おかずとして豆腐や納豆、茹でた豚肉などあぶらが少ないタンパク質をオススメします。

交代勤務にて不規則な方は、寝る前に食べる食事、と考えてください。

※寝る前に食物繊維の多い野菜ジュースを飲むと、消化に時間がかかってしまい、睡眠の質が低下するおそれがあります。

夕食を2回に分ける

夕食が遅いことでドカ食いになるならば、夕食を2回に分けます。

1食分の夕食を2つに分けることをイメージしてください。仕事の合間などに野菜とおにぎりを食べ、仕事から帰ってきたらおかずを食べます。この場合は、仕事場に夕食を持っていくことになります。コンビニのおにぎりと野菜でも構いません。この方法によって、遅くに食べる夕食量をおかずだけに減らします。

夕食の30分ほど前に少し食べる

仕事の合間に食べられない方もいます。その場合は、夕食の30分前に飴玉1個かクッキー1枚やチョコレート1つ(チロルチョコ)を食べ、コップ1杯(200cc)の水やお茶などのカロリーのない水分を飲みます。そうすることで、強い空腹感を減らし、ドカ食いを減らせるかもしれません。ガムでも構いません。

飴玉やクッキー、チョコレートのカロリーを気にする方がいるかもしれませんが、ドカ食いにて摂取するカロリーよりははるかに少ないです。
 

日常生活や仕事中にできる運動

運動の必要性は理解しているけれど、運動する時間を取れない方もいると思います。そういう方にオススメするのは3つです。

デスクワークの方

おへその下に軽く力を入れ、背筋を伸ばしてください。これだけでも腹筋と背筋を鍛えることができ代謝がよくなります。

立ち仕事の方

あまり動かない場合は、真ん中に重心を置くようにしてください。両足に均等に体重が乗るように意識すれば良いです。また、座っている時同様に、おへその下に軽く力を入れて背筋を伸ばしてください。動く方は、普段よりも大股で歩くことを意識してください。

長く湯船に浸かる

38度〜40度の湯温に30分程度入浴してください。肩まで入らなくて良いです。胸の下まで入れば良いです。入浴前にはコップ1杯の水分をとり、入浴中にも水分をとってください。
 

最後に

体質として体重が減らない方はいますが、体質が原因の方は僅かです。食べる量が多いか運動や活動量が少ない方がほとんどです。

どうしても食べたいものはあると思います。それは食べて良いです。ただ、食べ方を考えてください。好きなだけ食べれば体重が増えます。食べる量と頻度、他の食べ物との調整が大切です。1日に食べて良い食事量(摂取カロリー)は決まっています。食べたいものを食べる(足し算)をするならば、なにかを減らす(引き算)をしてください。この足し算と引き算が上手にできると、体重をコントロールできます。これは経験でわかるようになりますので、まずは始めることが大切です。

努力の成果が出なくて挫折してしまう方もいます。その時に私が必ずお伝えすることがあります。
それは
『9回うまくいかなくても、1回うまくいけば良いです。うまくいかなくても良いので、やれそうなことからやりませんか?』
です。
 
なにかを始めてうまくいかなければ、その方法との相性が悪かったと分かります。次に相性のよい方法を試せば良いのです。

時間がかかることはありますが、本気で努力した方の多くは成功しています。

 

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