こんにちは。 マサです。
調剤薬局にて薬剤師として働いています。
薬局でお話をしていると、運動や食事注意の必要性がわかっているが実施できない患者さんが多くいます。
実施しない理由を聞くと「いろいろ考えているけど、これといって始められるものがない」、「面倒臭い」、「忙しくて注意する時間がない」、「う〜ん」と言って返答がない方(そもそもやる気がない)患者さんなどさまざまです。
今日は「いろいろと考えてしまう患者さん」、「面倒臭いと思う患者さん」に対する服薬指導を記事にします。
『行動変容ステージモデル』を理解していると、より取り組みやすいと思います。 こんにちは。 マサです。 服薬指導をしていて、『間食を止めて欲しいけど、言っても止めてくれない』、『運動をして欲しいけれど、言ってもやってくれない』と思うことが多々あると思います。 その時に服薬指導の ... 続きを見る
薬剤師の服薬指導『行動変容ステージモデルを活用した服薬指導』
・行動できない患者さん
・「いろいろと考えてしまう患者さん」への服薬指導
・いろいろと考えてしまう患者さん
・「いろいろと考えてしまう患者さん」を行動させる方法
・「面倒臭い」と思う患者さんへの服薬指導
・食べることを注意すると決めた患者さんに共通して行ってもらいたいこと
・「面倒臭い」と考える患者さん
・「面倒臭い」と思う患者さんを行動させる方法
行動できない患者さん
今回の記事は、『「めんどくさい」がなくなる本』(鶴田豊和・著)を参考にしております。
しかし、本に書かれていることの受け取り方は人それぞれです。本の意図とは異なっているかもしれません。
一つの意見として受け取ってください。
いろいろと考えてしまう患者さんへの服薬指導

ただ、考えすぎることで行動に移せなくなっているように思います。
なのでまずは、最初に頭に思い浮かんだ注意することを教えてください。
たとえば「運動をする」にしましょう。
次にどんな運動をしようと考えましたか? 最初に頭に浮かんだ運動を教えてください。
次にその運動をするのであれば、いつの時間が最も行いやすいか、最初に頭に浮かんだ時間を教えてください。
今最初に頭に浮かんだ「運動」と「運動する時間」にまず何も考えずに行動してください。
そして、もしうまくいかなかった場合は、「運動」内容が悪かったのか、「運動時間」が悪かったのか、また、その理由を記録しておいてください。
そして、次回の時に私に教えてください。一緒に次の方法を考えましょう。
いろいろと考えてしまう患者さん
なぜ「いろいろと考えてしまう」のか?
開始するにあたり、開始するとどういったことに注意しなければならないのか、行う時間をどうやって作るか、どうやって(手段)やるか、とても真面目に考えているのだと思います。
そして、リスクや失敗しないことを考え過ぎるために、行動できないのだと思います。
いろいろと考えてしまう患者さんを行動させる方法
運動できない患者さんには、とても頭を使うことをした後に運動してもらう。
人間は頭を使った後は少し頭を休ませようとします。その時に、何も考えずに行える運動をしてもらいます。
運動をすることで頭をリセットします。さらに運動によるストレス発散や心地良い疲労感により、再度頭を使用することに取り組めるようになります。
100%の準備をしたと思っていても、いざ行動すると足りないことが見えてきて修正することがよくあります。
それならば、100%の準備でなくても早く始めて軌道修正する方が、より自分にあった行動になると思います。
それを気づかせます。
そして、最初にこちらから、大まかな指標を示してあげます。
「面倒臭い」と思う患者さん服薬指導
「朝に運動する」と決めた場合

これから私が提案する通りに行ってください。これ以外は何も考えなくて良いです。
今からお伝えすることをそれぞれ1週間ずつ必ず行ってください。

2. 朝起きて運動する服装になった状態で玄関までいく
3. 靴を履いて外に出る
4. 外に出たら歩くためのストレッチをする
5. ゆっくりで構わないので家の周りを1周する
6. 家の周り1周が5分であれば、2周歩く
7. 家の周りを3周歩く
8. 6周歩く、もしくは家の周りではなくて少し遠い場所を目指して歩く(患者さんと決める)
9. 徐々に距離や時間を長くする
次に来局した時には、順調に進んでいれば現在の歩く時間や距離を確認し、必要があれば修正をかけます。
基本的に、2ヶ月実行できれば習慣化します。
「食事量を減らす」と決めた場合
食べることを注意すると決めた患者さんに共通して行ってもらいたいこと
ご飯を減らす患者さん
今からお伝えする2つだけ必ず守ってください。

・2口減らした分の代わりに、他のものを食べないでください。
おかずを減らす患者さん
ご自身で料理を作る患者さん

ここで、減らした分をご飯や食後のデザート、間食などで増やさないでください。
家族が料理を作る患者さん

ここで、減らした分をご飯や食後のデザート、間食などで増やさないでください。
間食を注意する患者さん
間食を中止する場合

間食量を減らす患者さん

・1週間で食べる量を700kcalまでとしてください。その分のカロリーを1週間100kcalずつにするか、350kcalを2回で食べるかは決めて良いです。
注意が「面倒臭い」と思う患者さん
なぜ「面倒臭い」と思うのか?
・何かを始めるなければならないため(行動)
・どういったことをすべきか考えなければならないため(内容)
・どうやってやるかを考えなければならないため(手段)
などさまざまな理由があると思います。
「面倒臭い」と思う患者さんを行動させる方法
こちらからやることを全て決める
ただし、どんなことならしやすいか、いつならしやすいかは確認します。
たとえば「朝起きた時に運動する」です。
初期状態維持の法則を活用する
皆さんはパソコンを使用していると思います。そのパソコンはWindowsですか? Macですか?
多くの方がWindowsだと思います。もし、同価格でwordもexcelもpowerpointも使用でき、同じ性能のMacがあった場合、あなたはMacを購入しますか? おそらく多くの方が購入しないと思います。
それは、もともと使用していたWindows(初期状態)を変更することに心理的な抵抗があるためです。
この法則を使用して行動をスタートさせます。
運動できない方は、朝起きたら歩く服を来ているように寝ることや、枕元に置いておくことで、運動するための初期状態をつくっておくようにします。
小さく始める
最終目標は毎日1時間だったとしても、最初は朝起きたら何も考えずに玄関まで行く、という目標を立てます。
それを達成できたら次の目標を立てます。そうして、小さな目標達成を積み重ねていきます。
まずは何も考えずに、最終目標まで決めてしまいます。
1. 玄関までいく
2. 靴を履いて外に出る
3. 外に出たら歩くためのストレッチをする
4. ゆっくりで構わないので家の周りを1周する
5. 家の周り1周が5分であれば、2周歩く
6. 家の周りを3周歩く
7. 6周歩く、もしくは家の周りではなくて少し遠い場所を目指して歩く(患者さんと決める)
8. 徐々に距離や時間を長くする
9. 1回で1時間歩けなければ2回に分けて行うことを選択肢に入れて、患者さんに1回1時間と1回30分のどちらが行いやすいか選んでもらう