こんにちは。 マサです。
調剤薬局にて薬剤師として働いています。
この記事は『転職を考えている薬局薬剤師』向けです。
『転職しようかな。でも後悔しないかな。』と、悩んでいませんか?
私は調剤薬局に勤務して15年、管理薬剤師歴10年です。転職経験は一度もありません。でも、転職を考えたことは3回あります。
今回は、転職をしなかった理由と、私が考える転職をオススメする方とオススメしない方のお話しをしたいと思います。
私が転職しなかった理由!!
慣れた環境で新しいこと(ブログ)を始めようと考えたため
結論
【転職をオススメする方】
・はっきりとした転職後の目標がある方
・会社・店舗へのストレスが大きい方
・人間関係へのストレスが大きい方
【転職をオススメしない方】
・『薬局での仕事がマンネリ化しているので環境を変えたい』と考えている方
・所属している薬局や会社からの支援が大きい方
・既にある程度の地位を築いている方
私が転職を考えた理由
私が転職を考えたのは以下の時です。
・ 薬剤師4年目
・ 薬剤師8年目
・ 薬剤師15年目
薬剤師4年目
当時、『薬剤師は3年努めれば一人前』と言われていたので、新しい環境に身をおきたいと考えました。また、一通りの仕事ができるようになっていたので、新しい環境で自分を試したい気持ちもありました。
薬剤師8年目
知り合いからの引き抜きがあったことと、会社への不満があったため転職を考えました。
引き抜きによって、当時の年収で50万円増えるお話でした。給与に不満はありませんでしたが、会社への不満とかさなって転職を考えました。
会社への不満は、薬剤師研修がなかったことです。
正確には、薬剤師研修はありましたが3年目までの若手薬剤師に対しての研修がメインでした。私のような中堅薬剤師の成長を促すような研修はありませんでした。
私は1年目から薬剤師としての成長を感じており、5年目までは大きく成長している実感がありました。当たり前ですが、年数を重ねると成長曲線が緩やかになります。8年目の時でも成長を感じていましたが、5年目までのような実感はありませんでした。
薬剤師15年目
年収が頭打ちになっていること、薬局管理業務、会社の考えに嫌気がさしました。患者さんとのお話はとても楽しかったです。
都合の良い話ですが、年収が増え、今よりも患者さんと向き合うことに集中でき、勤務薬剤師として勤務できる会社に転職したいと考えました。
今回が最も本気で転職を考えました。
ただ、結局3回とも転職をしませんでした。
私が転職をしなかった理由
薬剤師4年目
尊敬できる上司に出会うことができたことと、先ほどもお話ししましたが、薬剤師としての成長を実感できたことで、転職しないことが自分のためだと思いました。
その上司は、薬剤師としての考え方や責任、仕事に対しての向き合い方など、多くのことを教えてくださいました。今でも最も尊敬している方です。
本気で転職を考えていなかったのかもしれません。
薬剤師8年目
当時の不満を4年目に出会った尊敬できる上司に相談しました。相談の時には、転職を考えていること、研修に不満があることを正直に伝えました。
当時、上司は既に執行役員になっていたため、研修を作るプロジェクトを立ち上げてくださり、自分が理想とする研修を作ることになりました。そのため、転職をせずにプロジェクトに臨むこととしました。
今考えると、薬剤師8年目ならば会社に研修を求めるのではなく、自分から学びに出るべきだったように思います。要は受動的ではなく、能動的ですね。e-ラーニングや外部研修などたくさんありますからね。
薬剤師15年目
転職サイトに登録して、担当者とも話をしました。
担当者と話をしている中でわかったことは、勤務薬剤師になると、今よりも年収が増える企業がほぼほぼない、ということでした。良くて今と同じでした。
正確に言うと、年収が増える求人はありましたが、私が望む『患者さんと向き合うことに集中できる会社』ではありませんでした。
そこで考えたのが、薬剤師ということを活かしてブログを執筆することでした。患者さんと毎日お話をしていると、患者さんが困っていることや疑問に思っていることがわかります。同じ質問を受けてどのように返答しようか悩んでいる薬剤師がいると思い、ブログで情報提供することにしました。
ブログの執筆は初心者なので時間がかかります。
今の職場であれば、仕事のペースがわかっており空き時間や活用できる時間が計算できます。
勤続15年にもなればベテランです。会社の中でも地位を築いていますので、仕事がしやすい環境です。
ブログを開始するのであれば、転職をして新しい環境に慣れながらではなく、現在の状況のまま行うことが好ましいと考えました。なので、転職を保留にしました。
会社への不満は残りますが、これから始めるブログへの楽しみの方が優っています。
私は、決して転職を止めさせたいわけではないです。
私の経験からわかったことは、『転職すべきタイミングと理由』です。
転職をオススメしない方
・所属している薬局や会社からの支援が大きい方
・既にある程度の地位を築いている方
『薬局での仕事がマンネリ化しているので環境を変えたい』と考えている方
『転職する目的はなんですか?』
総合病院の門前のように、いろいろな科の処方箋を扱いたいのですか?
漢方や循環器など専門の処方箋を勉強したいのですか?
薬を知りたいだけならば、転職せずとも勉強できます。専門医の処方箋がくる薬局で患者さんの生活指導をしたいのであれば、転職してその環境に身を置くのは良いと思います。ただ、身を置くだけで勉強しないのであれば、またマンネリ化しませんか?
私は10年同じ薬局に勤務しています。でも、マンネリ化したことがないです。理由は一つ、常に勉強して新しい知識を身につけているからです。新しい知識を身につけて患者さんに還元することで、患者さんの驚きや喜び、行動変化に繋がります。患者さんの変化を知る喜びがあるので、10年間、同じ患者さんと話をしてもマンネリ化はありません。
そうはいっても、自分の勉強したい科の処方箋がこないと前向きになりにくいのは事実です。チェーン薬局であれば、転職の前に他の店舗への異動を訴えてはどうでしょうか。それからでも遅くないと思います。
どちらにしても、目的を持って、その目的達成のために努力をする方でなければ、
『環境に慣れる→マンネリ化する→転職する』の繰り返しになる可能性が高いです。
『所属している薬局や会社からの支援が大きい方』
私が転職を考えた時に、管理薬剤師ではなく勤務薬剤師を希望した理由がこれです。
現在私が勤めている会社は、薬剤師免許の更新、薬局機能情報の登録、保健所への提出書類の作成と提出、各問屋との交渉、店舗の売上集計など様々な雑務を本部がしてくれます。売上ノルマもありません。管理薬剤師として転職した場合、これらのことをしなければならなくなる可能性があり、そうなると、私が望む患者さん対応に集中することが難しくなると考えました。既にこれらのことに慣れている方であれば問題ないかもしれません。
『既にある程度の地位を築いている方』
転職をすれば、転職先の薬局や会社では新人です。
管理薬剤師として転職する方は管理薬剤師としての立場は保証されていますが、勤務薬剤師として転職する方と同様に、他のスタッフにゼロから能力を認めてもらい、信頼を築く必要があります。場合によっては年下が上司となることもあるでしょう。今までとは逆転した地位になるかもしれません。そういった環境を受け入れることができますか?
転職をオススメする方
・会社・店舗へのストレスが大きい方
・人間関係へのストレスが大きい方
はっきりとした転職後の目標がある方
例えば、『管理薬剤師になって管理業務を学びたい』、『漢方専門薬局で働きたい』、『在宅業務を学びたい』などの目標があり、それをほぼ100%叶えることのできる転職である場合
会社・店舗へのストレスが大きい方
例えば、『月間のノルマが厳し過ぎて心身ともにボロボロになってしまう』、『経営方針と自分の目指す薬剤師像や薬剤師倫理が大きく異なっている』などです。
人間関係へのストレスが大きい方
異動では改善が期待できない方、異動すらできない方、すぐにでも対応しないとうつ状態になってしまう方は転職をオススメします。これは逃げではなく、幸せな将来のためへの行動です。
最後に
転職することを選択しても、転職しないことを選択しても、後から後悔する必要はないと思います。
当時の自分と正直に向き合って決めたことです。
決断したことが思い描く将来ではなかったとしたら、その時にまた新しい選択をすれば良いと思います。
今の私も、転職しなかったことが良かったのかどうか、まだわかりません。