こんにちは。マサです。
調剤薬局にて薬剤師として働いています。
あなたの薬局やドラッグストアに、初めての患者さんがいらっしゃった時、体質に関するアンケートへの記入をお願いしませんか?
その確認項目をどういったものにすれば良いか悩んだ経験はありませんか?
皆さんが必要に思うアンケートを作成しましたので、ご紹介します。
目次
薬局(ドラッグストア)で使用する『患者アンケート』
私が考えたアンケートを2つ載せます。私の薬局で使用しているのは②です。
②を選んだ理由は、なるべく短い確認項目にするためには『ジェネリック医薬品』、『車·バイクの運転』、『機械作業』、『高所作業』を削除しようと考えたためです。
『ジェネリック医薬品』は処方箋受付時に「ジェネリック医薬品でお薬をご用意してよろしいですか?」と確認しています。ジェネリック医薬品を理解していない患者さんにはその場ですぐに説明します。そうすることで、ジェネリック医薬品がわからないので「ジェネリック医薬品を希望しない」という患者さんを減らせます。
『車·バイクの運転』、『機械作業』、『高所作業』の項目は、処方されたお薬の内容や、その服薬指導において必要であれば確認します。
あなたがアンケートを実施する理由は?
あなたが患者さんにアンケートをお願いする理由はなんですか?
勤めている薬局(ドラッグストア)にてアンケートを作成された方もいると思います。何を期待して作成しましたか?
「服薬指導をする時にしやすいように」、「服薬指導の時に確認する項目を減らすために、決められているからなどかな」、「あまり考えたことがないけれど、あった方が良いから」など様々な理由があると思います。
確かに、アンケートがあると服薬指導しやすいですよね。
私は、1回目の服薬指導からなるべく患者さんの情報が多くなるためにアンケート項目を作成しました。
欲しい患者さんの情報は、表書きの情報から選んでいます。
確認する項目が多すぎるのでは?
そうかもしれません。もし全て記入してもらえなくても、それはそれで構いません。全て記入してもらえなくて当たり前、記入していただければラッキーと考えています。
それなら項目を減らして口頭確認でも良いのでは?と考える方もいると思います。
その通りです。あなたの薬局·ドラッグストアで必要な項目を残したり、追加したりすれば良いと思います。
連絡先はメールアドレスでも良い
私は、連絡先の項目を『メールアドレス』でも良いことにしています。
まず『薬剤服用歴管理指導料』の算定に必要な項目として『住所』があります。『連絡先』は『必要に応じて緊急連絡先』となっています。
2020年9月から『薬剤使用期間中の患者フォローアップ』が始まり、患者さんと連絡を取る機会が増えると思います。その時に、患者さんがどの方法であれば連絡を取りやすいか、ということや、登録していない番号からの電話に出ない患者さんを考慮して『メールアドレス』でも良いとしています。
身長と体重の確認は必須
口頭確認でも良いのですが、恥ずかしがって体重を返答しない患者さんがいます。
最初に確認しておくことで、しばらく経った時に「この前の体重は○○kgでしたが、今はどうですか?」と確認することで、患者さんが返答しやすくなります。また、生活習慣病であれば、最初の服薬指導から体重の指導を行いやすくなります。
小児だけ確認している薬局(ドラッグストア)があるようですが、年齢にかかわらず必要な項目と考えています。
体質は個人的に大切な項目
口頭確認でも良いですのが、アンケートにて確認しておいた方が私の服薬指導の流れがスムーズになるため、個人的にアンケートに必要な項目と考えています。
また、私個人としてはアレルギー同様に最初に確認しておくべき項目、と考えています。
あなたが不要と考えるのであれば無理に項目に入れる必要はないと思います。
あなたも自分の服薬指導を考えた時に、アンケートで確認しておいた方が良い項目があれば、アンケートに入れることをオススメします。
食事や睡眠時間の大切さを考えたことがありますか?
食事や睡眠時間について、こんなに詳しく確認する必要があるの? そもそも食事について確認する必要があるの?、と考える方がいると思います。
まず、私からあなたに確認したいことがあります。
食事について
患者さんに「アムロジピン錠5mg 1回1錠 1日1回 朝食後」の処方があった場合、朝食を食べるかどうか確認していますか?
患者さんに「セフェム系抗生物質 1回1錠 1日3回 毎食後」の処方があった場合、1日3食食べるかどうか、何時に食べるかを確認していますか?
例えば、朝食を食べない患者さんがいた場合、お薬を朝に服用してくれるでしょうか。 アムロジピン錠であれば半減期が長いので患者さんが自己判断で昼食後にしたり、夕食後したりしても大きな問題はないと思います。しかし、朝から午前中の血圧コントロールのために、アムロジピン錠よりも半減期の短いお薬が処方された場合には困りませんか?
また、セフェム系抗生物質は等間隔でキチキチ服用することで最大効果を発揮します。不規則に服用しても効果が得られにくく耐性菌を生み出すだけで良いことがありません。
睡眠について
睡眠については、就寝時間を確認することで、寝る前の薬の服用時間がわかります。
また、肥満の患者さんの場合、睡眠時間が6時間未満では減量が難しくなります。身長·体重同様に、生活指導のためにも確認します。
手帳活用率向上のために、電子お薬手帳を確認する項目を作る
電子お薬手帳を知らない患者さんがいます。お薬手帳を活用しない患者さんがお薬手帳を活用してくれるキッカケになれば、と思い項目に入れています。
最近では高齢者でもスマートフォンを使用している方が増えています。私の母は70歳になりますが、スマートフォンにて電子お薬手帳を活用しています。スマートフォンのデメリットを考慮して、通常のお薬手帳も持ち歩くようにしています。
今回受診された理由を確認する項目は、あえて作らない
私の中では、今回受診した理由は口頭で確認した方が良い、という考えがありますので、アンケートに入れていません。
それは、今回受診した理由の確認から薬の説明、生活指導までを一連の服薬指導、と考えていますので、今回受診した理由をアンケートにしてしまうと、服薬指導が途中から始まってしまうような感覚がしてしまい気持ちが悪いためです。
これは感覚的な問題だと思います。
皮膚科や整形外科などの処方箋を多く受け付ける薬局では、今回受診した理由をアンケートに入れておいた方が速やかに話が進むかもしれません。
ただ、半年ぶりに来局された患者さんには、再度アンケートの記入をお願いすることなく口頭で受診理由を確認すると思いますので、アンケートにおける必須項目ではないように考えています。それよりも、服薬指導がなるべく長くならないように、表書きの内容を確認することを私は優先させています。
最後に
私が知っているある薬局では、住所と連絡先だけを確認して、アンケートを実施していません。
それは、すべて口頭確認するからだそうです。初回にすべて確認しなくても、何回かにわけて確認できれば良いと考えているそうです。
確かにアンケートを記入したい患者さんは多くないと思います。体調が悪い中アンケートを記入することを不快に思う患者さんもいるでしょうし、あなたの薬局(ドラッグストア)を訪れる患者さんの傾向にもよると思います。
最後に、私が患者さんにアンケートをお願いしている理由の一つに『待ち時間の短縮』があります。アンケートをお願いする患者さんは基本的に初めて来局されます。何もせずに待っているよりも、アンケートを記入した方が待ち時間を短く感じるように思います。
アンケートを実施する実施しない、確認する項目をどうするかなどは、あなたが患者さんのためになると思うことをすれば良いと思います。
項目に悩むようであれば、私が考えたアンケートを参考にしていただければ幸いです。
患者さんのためを思って決めたことであれば、受け入れてくれる患者さんが多くなると思います。