服薬指導

薬剤師の服薬指導【薬の副作用を疑って、薬を自己中止した患者さん】


こんにちは。 マサです。

調剤薬局で薬剤師として働いています。

あなたは患者さんが副作用を心配して、お薬を勝手に止めてしまった、という経験がありませんか?
薬剤師が「副作用ではないですよ」と、説明しても受け入れてくれないことがあります。
その時の服薬指導の方法を紹介します。
 

 

薬の副作用を疑って、薬を自己中止した患者さん

患者さん情報

70歳 男性
アレルギー歴:なし
副作用歴  :バルサルタン錠80mgにて首の痛み
服用薬

・カルブロック錠8mg   1日1錠 朝食後
・ピタバスタチンCa錠1mg 1日1錠 朝食後
・オングリザ錠5mg 1日1錠 朝食後

全ての薬を既に3年以上服用中
 

患者さんの訴え

先日、朝起きたら首が痛かった。薬の副作用が出たと思い薬を飲むのをやめた。
以前も同じようなことがあり、何日かお薬をやめたら症状が治ったので今回もそうだろうと思い、薬をやめた。やめたら痛みが軽減してきた。
それに、週刊誌を読んだら服用してはいけない薬の中に含まれていたので、止めたほうが良いと思った。
おじいちゃん

このように患者さんが訴えた時に、多くの薬剤師は「副作用ではないだろう」と考えると思います。
服用を自己中止して血圧やコレステロール、血糖値が上昇することが心配です。

 

論理的思考と感情的思考

人間は論理的思考と感情的思考によって物事を考えています。
周りから論理的に説明され理解はするけれど、感情がそれを受け入れなければ納得することがありません。
反対に、論理的に理解できないけれど、感情が正しいと思うようならば決断します。

例えば、周囲から「あの人は浮気性です。だからお付き合いをやめたほうがいいよ。」と言われ、疑わしいメールも見てしまった。
しかし、本人からは「浮気はしていない」と言われたら、お付き合いを続けてしまうかもしれません。

今回も同様です。
薬剤師から「長く服用していて生じる可能性は低いです。また、首だけというのは考えいくです。副作用ではないからお薬を続けてください」と論理的に説明しても、感情的に「副作用」と考えていると、薬剤師の意見を聞き入れてもらえません。
 

患者さんにこちらの意見を受け入れてもらうために必要なこと

心の中にはコップがあります。そのコップの中が溢れそうなほどいっぱいになっていては、新しい水(こちらの意見)が入りません。
副作用と思い込んでいる状態は、副作用という思いでコップが満杯です。
コップの水を減らすためには、まず相手の思いを吐き出してもらう必要があります。
吐き出してコップに余裕ができると、新しい水を受け入れられるようになります。
要するに相手が納得するためには、相手の話や考えを最後まで聞いて、相手がこちらの意見を受け入れやすい状態にする必要があります。
また、話を聞いてくれない人の意見を聞こうとは思わない。それが人間の心理です。
 

服薬指導例

こちらの意見を押し付けるのではなく、本人が自分で気づいたように思わせることが大切です。

ダメな例

マサ
お薬の副作用であれば、全身に症状が出たり、お薬を再開すればすぐに症状が再発したりすることがほとんどです。なので今回の症状はお薬の副作用ではありません。お薬を服用してください。
また、週刊誌にかかれていることは嘘ではないですが、そのまま受け入れないでください。

 

オススメする例

マサ
薬剤師の立場からすれば、お薬の副作用ならば、全身に症状が出たり、お薬を再開すればすぐに症状が再発したりすることがほとんどです。
ではなぜ、あなたは薬の副作用だと思ったんですか?
マサ
週刊誌に書かれている内容を見ると心配になりますね。ただ、薬剤師も処方する先生も書かれていることをほぼ全て知っています。
週刊誌は雑誌を売るために過度な表現をすることが多いことをご存知ですか?

オススメ例のように伝えると、患者さんは「そう言われると・・・」と冷静に考えやすくなります。

まとめ
・心の中のコップに余裕ができるように、まずは最後まで相手の話を聞く
・患者さんが自分で気づくように、提案するように説明する

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