薬剤師へ

【ご紹介】薬剤師の服薬指導に活かせるテクニック(書籍を活用して)


こんにちは。 マサです。

調剤薬局にて薬剤師として働いています。

今回は薬剤師の服薬指導に活かせるテクニックを紹介したいと思います。

先日、『図解 頭のいい説明「すぐできる」コツ』を読みました。それを参考に、どうやって服薬指導に活かそうかを考えました。また、すでに日ごろから行っていることもありました。

こういったことの積み重ねが『コミュニケーション能力』を高めることにつながります。

「わかりやすい説明」は結論から始まる

意識することは3つ
・「大きな情報→小さな情報」の順番を意識して説明する
・「事実+意見」が説得力の基本
・途中まで話をしたら「ここまでよろしいでしょうか?」と確認すること

「大きな情報→小さな情報」の順番を意識して説明する

たとえば、患者さんから

「今日の血圧が普段より高くて150/80だったけど高いの?」
おじいちゃん
と質問を受けたとします。

その質問に、

マサ
「今日いらっしゃる患者さんの多くが普段の血圧よりも10〜20程度高い方が多いです。」
と回答します。

患者さんからすれば、『高いのか高くないのか』がわかりません。

もしこれが、

マサ
「少し高い数値です。
患者さんの年齢であれば140/90未満が理想です。ただ、今日いらっしゃる患者さんの多くが普段よりも10〜20程度、血圧が高いです。」

と回答すればわかりやすいと思いませんか?

大きな情報は『血圧が少し高い』
小さな情報は『140/90未満が理想』、『今日いらっしゃる患者さんの多くが普段よりも10〜20程度、血圧が高くなっている方が多い』です。

大きな情報から説明し、小さな情報を付け加える方が聞きやすいと思いませんか?

「事実+意見」が説得力の基本

1つ目で挙げたことを活用します。

患者さんから

「今日の血圧が普段より高くて150/80だったけど高いの?」
おじいちゃん
と質問を受けたとします。

その質問に、

ユウ
「少し高い数値です。
患者さんの年齢であれば140/90未満が理想です。ただ、今日はとても寒いので普段よりも10〜20程度、血圧が高くなっている方が増えています。
おそらく普段よりも気温が低いため、血管が収縮して血圧が高くなっていると思います。」

と回答します。

途中まで話をしたら「ここまでよろしいでしょうか?」と確認する

たとえば、新しく血圧を下げるCa拮抗薬が処方された患者さんがいます。

患者さんには、

マサ
このお薬について説明したいことが2つあります。1つは薬の効き方について、もう1つはこの薬で注意するべきことです。
このお薬は血管を拡張するお薬です。そのため血管にかかる圧力を減らして血圧を下げます。

マサ
ここまでよろしいですか?
マサ
「このお薬が血管を拡張することで、最初の1週間は軽い頭痛が出たり、腎臓に入る血液量が増えるためにトイレの回数が増えたり、歯茎が腫れたりすることがあります。

頭がいい人は例外なく「説明が短い」

意識することは2つ

・聞きやすい説明とは、短い説明
・「ビフォア」、「アフター」をはっきりさせる

聞きやすい説明とは、短い説明

話が長くなる原因は、「必要な情報」だけでなく「不必要な情報」も話しているためです。
「必要な情報」とは、相手が必要と思う情報です。

小泉元首相が言った言葉を覚えている方もいると思います。

横綱貴乃花の優勝に対して「痛みに耐えてよく頑張った。感動した。」と言いました。

私はとても印象に残りました。

本来ならば、「膝の関節がはずれてしまい、痛みもある満身創痍の中、必死に頑張って取り組みに勝利したことにとても感動しました。」となります。

これでは私の記憶に残らなかったと思います。短い説明だったため記憶に残ったと思います。

「ビフォア」、「アフター」をはっきりさせる

話が通じない場合、話の「内容」ではなく「意図」が伝わっていないことが多いです。「ビフォア」、「アフター」をはっきりさせることが大切です。

『ビフォア』とは、『現在』です。
『アフター』とは、説明を終えた時にできる『イメージ』です。

「血糖値を下げるために食事療法と運動療法のどちらか一つを始める決心がついたけど、どちらをやれば良い?」
おじいちゃん

ユウ
「食事療法が良いと思います。」

この説明では「なぜ食事療法が良いのか」その意図がわかりません。

もしこれが

ユウ
「食事療法が良いと思います。なぜなら、食事療法の方が労力も時間も必要としないからです。100kcalを消費するためには早歩きで30分以上の運動が必要です。しかし、食事注意であれば毎食1〜2口のご飯を減らすことで達成できます。」

と説明したらどうでしょうか。

アフターは「食事療法の方が労力も時間も必要としない」、「100kcalを消費するためには早歩きで30分以上の運動が必要だが、食事注意であれば毎食1〜2口のご飯を減らすことでよい」です。

「何を話すか」よりも「どう話すか」が大切

意識することは2つ

・相手がメモを取ることを前提に話す
・「良い・悪いを分けて話す」と、聞きやすい+わかりやすい

相手がメモを取ることを前提に話す

「相手がメモを取ること」、「話す内容を一言で説明できること」を意識して話すと相手にわかりやすく話そうとします。

「良い・悪いを分けて話す」と、聞きやすい+わかりやすい

「固形・粉・液体のブドウ糖はどれが良いですか?」
おじいちゃん

マサ
私なら固形のブドウ糖を持ち歩き、低血糖時にすぐ使用するようにします。
固形ブドウ糖の良いところは、1袋5gや3gなど量を選びやすい、粉ブドウ糖は噛み砕く必要がない、液体ブドウ糖はすぐに服用できるところです。
固形ブドウ糖の悪いところは、噛み砕く必要があり、服用には水分が必要です。粉ブドウ糖は量を選べず、服用には水分が必要です。液体ブドウ糖は量を選べず、入手するのが大変です。

信頼される人は「本気の伝え方」が上手

意識することは2つ

・相手の「心」をくすぐる言葉
・笑顔

相手の「心」をくすぐる言葉

前回服薬指導したことが薬歴に残っていると思います。
そこで、

ユウ
「前回は〇〇と言っていたので気になっていました。あれからどうですか?」

ユウ
「前回心配しているように見えたので、あれから色々と調べてみました。」

など、『あなたのことを気にかけています』という言葉を投げ掛けます。

そうすると相手は、自分のことを心配してくれていたのかな?、前回話したことを覚えていたのかな?と、好意的に受け取ってくれるかもしれません。

笑顔

コンビニエンスストアでジュースを買う場面を想像してください。

店員さんは高校生のアルバイトです。

その店員さんが笑顔で接客をしてくれた時と、無表情で接客してくれた時、どちらの対応に「ありがとう」とお礼を言いたくなりますか?

私は笑顔で接客してくれた時です。

あなたの周りでも、笑顔で元気に接してくれる方がいませんか? その方にはポジティブな印象がありませんか?

-薬剤師へ
-

© 2023 夫婦薬剤師