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【重要】薬剤師が知っておくべき緊急避妊薬『レボノルゲストレル』について


こんにちは。 マサです。

緊急避妊薬のオンライン勉強会がありましたので視聴しました。
それをまとめましたので記事にしたいと思います。

緊急避妊薬の流れ

世界の状況

緊急避妊薬である「レボノルゲストレル」は1999年にフランスとアメリカで発売されました。
遅れること約10年、日本での発売が開始されました。
やはり日本は医療後進国です。アジアでは日本と北朝鮮以外の国で既に発売されていました。

イギリスは2001年〜、アメリカは2006年〜処方箋なしで薬局にて購入できるようになりました。
 
WHO(世界保健機関)は『緊急避妊薬を医学的管理下におく必要はない薬』、『意図しない妊娠のリスクを抱えたすべての女性および少女には、緊急避妊にアクセスする権利がある』と勧告しています。
国際産婦人科連合も『医師によるスクリーニングや後日のフォローアップは基本的に不要』と言っています。

最近の日本での流れ

2020年10月8日 内閣府の専門調査会は、男女共同参画計画の策定に向けた「基本的な考え方」のうち、緊急避妊薬に関して「避妊をしなかった、または、避妊手段が適切かつ十分でなかった結果、予期せぬ妊娠の可能性が生じた女性の求めに応じて、緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師が十分な説明の上で対面で服用させることを条件に、処方箋なしに緊急避妊薬を利用できるよう検討する」という内容を盛り込んだ。

2020年10月21日 日本産婦人科医会が「処方箋なしでの薬局での販売」に反対意見を表明
 

個人的意見

処方箋なしでも購入できる必要性がある薬と思います。

確かに悪用されるケースもあると思います。日本産婦人科医会もそういったことを心配しているのかもしれません。
ただ、年末年始やゴールデンウィークなどの長休の時にはどうしたら良いのでしょうか。
少しでも早く服用することが推奨される緊急避妊薬の入手が遅れてしまう可能性があります。
その場合、妊娠していないことが確認されるまで不安に過ごすのでしょうか。もし妊娠していたら人工中絶術を行わなければならないのでしょうか。
確かに緊急避妊薬を服用しても、妊娠を100%阻止することはできません。しかし、妊娠阻止率は24時間(95%)、48時間(85%)、72時間(58%)で早く服用したほうが高いことがわかっています。
※妊娠阻止率とは、排卵日等で妊娠しやすい状況の人が、アフターピルを飲むことで妊娠を阻止できた割合

私としては、この状況で薬剤師会が「緊急避妊薬を薬局で販売できるようにしてほしい」と声を挙げないことが寂しいです。
また、日本産婦人科医会が『薬剤師に任せよう』という考えにならない、薬剤師にも責任があると思います。

緊急避妊薬の作用機序

妊娠までの過程

月経開始から2週間で卵胞刺激ホルモンが分泌され、卵胞に包まれている卵子の成長を促します。
次に月経開始から2週間経過した頃に黄体ホルモンが急激に分泌されます(LHサージ)。
LHサージによって卵巣から卵子が排出されます(排卵)。
この卵子が卵管にある間に精子と出会うことで受精から着床し、妊娠となります。
 

緊急避妊薬の作用機序

緊急避妊薬を服用することによって、LHサージを数日(5日程度)遅らせます。
LHサージを抑制されることで、卵巣からの卵子の排出(排卵)が遅れます。そのため、精子があっても受精しない※ようになります。
ただし、既に排卵が起こっていた場合は受精している可能性があるので、緊急避妊薬を服用しても妊娠を防止できません。
排卵日に性交渉があった場合の妊娠率は15〜20%程度とされています。
※精子は情勢の体内で48〜72時間生存しますが、LHサージを5日程度遅らせることができれば受精を防げます。
 

緊急避妊薬を服用しても妊娠検査を受けた方が良い場合

・月経が予定日よりも1週間以上遅れた時。
・服用して3週間しても月経がこない時。
・出血が少ししかない時。
 

緊急避妊薬を排卵前に服用できたかどうかを知るために

最終月経日 :7月1日
月経持続日数:7日
月経周期  :31日
性行為の日 :7月20日

推定排卵日 :7月18日
次回の月経予定日は8月1日(月経周期31日のため)。そこから2週間前が排卵予定日
※すでに排卵が起こっている可能性が高いため、性行為が7月20日になりますので、その後に緊急避妊薬を服用しても効果が得られない可能性があります。

月経予定日1週間後:8月8日
月経予定日が8月1日なので、そこから1週間後

性行為から3週間後:8月10日
 

緊急避妊薬の副作用

多くの症状が軽症であり自然に改善します。
出やすい症状として、嘔気、頭痛、不正出血があります。
 

緊急避妊薬を服用することで知っておくべきこと

・緊急避妊薬を服用した後が最も妊娠しやすい時期です。
・服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は再度服用する必要があります。
・緊急避妊薬を服用したからといって、妊娠しにくい体になることはありません。
・もし妊娠していた場合に服用しても、胎児へのリスクは報告されていません。
・月経不順は生じるが、何度でも服用することができます。月経不順はそのうち改善します。

避妊方法

・低用量ピル
正しく服用すればほぼ100%妊娠を防止できます。

・コンドーム
年間2〜13%程度はコンドームをしていても妊娠してしまいます。
コンドームは梅毒やヒトパピローマウイルスの感染は防止できませんが、多くの性病の感染を防止しますので装着する必要があります。

・銅付加子宮内避妊具
 

オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤について

緊急避妊に関するオンライン診療の実施にあたっての薬剤師・薬局の対応としては、

・オンライン診療を受診した女性が薬局で調剤を受ける際、緊急避妊薬に関することや性に関する教育についての研修を受講した薬剤師が対応すること
(研修は都道府県薬剤師会が実施。実施に当たっては、実施地域の医師会及び産婦人科医会と連携して対応)

・来局した女性に薬局において薬剤師の面前で服用させること(プライバシーへの十分な配慮や服用する為の飲料水の準備なども行う)

・より確実な避妊方法に関する適切な説明、産婦人科医による直接の対面診療を約3週間後に受診することの説明等を来局した女性に行うこと

になります。

研修を受講した薬剤師及び薬局のリストは厚生労働省のHPに医師のリストと共に掲載されます。
厚生労働省ホームページはこちら
 

緊急避妊薬を処方してくれる医療機関

緊急避妊薬を処方してくれる医療機関はこちら
 

緊急避妊法の適正使用に関する指針(日本産婦人科学会)

緊急避妊法の適正使用に関する指針(日本産婦人科学会)はこちら

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