服薬指導

秋から冬に上昇する血糖値や体重の原因:多く経験することを紹介!!


こんにちは。 マサです。

調剤薬局にて薬剤師として働いています。

秋以降、血糖値や体重が上昇している患者さんが増えています。
私が経験している原因を含めて記事にしたいと思います。

ただ、私が住んでいる静岡県でのことなので、都市部の患者さんには当てはまらないかもしれません。

秋から冬に上昇する血糖値や体重の原因

結論:果物量の増加と活動量の低下

体重は減ったが血糖値は上昇している患者さんがいます。そういった患者さんに共通していることがあります。

それは、「食事注意をして摂取するカロリーは減っているが、摂取しているカロリーに占める糖質量が増えている」ということです。
 

果物が増える

例えば、毎日中位の柿1個、Mサイズみかん1個を食べたとします。
柿1個の糖質量は19g、みかん1個の糖質量は6g、合わせて25gです。
これは白米67g分になります。女性のご飯量はだいたい120gの方が多いので、ご飯半分程度の糖質量を柿とみかんで取る計算になります。

一見すると多いように思いませんよね。

ここで考えていただきたいことがあります。それは、私が薬局でよく体験することです。

糖尿病の教育入院や、その他何かの理由で病院に入院し、糖尿病食を体験した患者さんに、私が「病院で食べた食事と自宅で食べている食事量に違いがありましたか?」と聞くと、「いつも食べているご飯量よりも病院で食べたご飯の量が多かった。でもおかず量は少なかった。」と返答します。

自宅ではおかず量が多い患者さんが多いということです。それは脂質やタンパク質のカロリーが多くなりやすいということです。
タンパク質のカロリーはさほど問題となりませんが、脂質のカロリーは問題です。体重増加につながります。
また、脂質は血糖値が糖質よりも遅れて上昇してくるため、血糖値の高い状態が続きやすくなります。
その状態の患者さんが、果物の糖質量が増えれば、さらに血糖値が高くなります。

患者さんの中には、果物を多く食べたから食事量を減らしてくれる方がいます。
しかし、果物を食べすぎる患者さんは食べ過ぎる量が多く、食べ過ぎたからといって減らす食事量は少しであることが多いです。
また、果物の糖質の代わりにおかずのタンパク質や脂質を減らす患者さんもいます。それは、体重は減るかもしれませんが血糖値は上昇します。
 

秋から冬は糖質の食べ物が増える

果物以外で注意すべき食べ物が「芋類」と「ニンジン」、「レンコン」、「かぼちゃ」です。
これらを頂く機会も増えます。
煮物ですと「筑前煮」が注意です。「筑前煮」には「里芋」、「ニンジン」、「レンコン」が入っていることが多く、さらに砂糖を使用して味付けする家庭も多くあります。
さらに、コロッケを食べることも増えます。コロッケの「じゃがいも」と使用するパン粉は糖質です。それを油を使用して揚げるので、糖質と脂質が多量になります。
 

寒くなると活動量が減る

農家の方は冬場は夏場ほどの作業量がないことがあります。また、寒いので自宅の暖かい部屋でTVを見たり本を読んで動かなくなる方が増えます。
夏場であれば、朝晩の涼しい時間帯に体を動かす患者さんがいますが、冬場は日中の暖かい時間帯でも体を動かそうとする患者さんが少ないように思います。
ただ、活動量が落ちても食事量が変わらない患者さんがほとんどです。さらには、自宅の中にいるために間食量が増えてしまう患者さんも多くいます。

2020年の春に「コロナ太り」という言葉が流行りました。
これは、自宅から出ることが減ったことで活動量が減ってしまったことが原因です。
冬場は毎年コロナ太りと同じ状況になっている患者さんが増えます。
冬場は体温調節のために自身の代謝が上がります。運動すれば効率良く脂肪を燃焼しやすくなります。

これらを意識していない患者さん、知らない患者さんが多くいます。
薬剤師にはこれらの注意点を服薬指導をしてもらいたいです。
 

服薬指導例

マサ
冬になるとこたつでみかんを食べる機会が増えませんか? さらに、柿を買ったりもらったりして食べることが増えませんか?
みかんは水分もあるため、口が渇いた時に食べたり甘くて美味しいのでおやつ代りに口にする機会が多くなります。
簡単に食べられて水分補給になるみかんですが、1日に何個も食べると血糖値が上昇します。
食事の果物に柿が出てくると、さらに血糖値を上げてしまいます。
果物は1日1種類をお勧めします。柿ならば半分、みかんならばMサイズ1個にしてください。量が分かりにくければ、1日量はご自身の拳1個分と考えてください。
マサ
柿やみかんを食べたからご飯やおかずを減らすように考えてくださる患者さんもいます。
その時に、減らす量が少ない患者さんが多くいます。
柿やみかんを1個食べたら、ご飯半分にする(50〜60g減らす)ように考えてください。普段からご飯を減らしているようであれば代わりに減らす糖質がないので、果物によって血糖値が上昇しやすくなります。
果物は1日1種類をお勧めします。柿ならば半分、みかんならばMサイズ1個にしてください。量が分かりにくければ、1日量はご自身の拳1個分と考えてください。
マサ
冬場は糖質の多い食べ物が食卓に並びやすくなります。
筑前煮、里芋の煮物、かぼちゃの煮付け、長芋や大和芋を使用した料理、とろろ汁などは糖質を多く含んでいる食べ物です。
食べてもらって構いませんが、冬場に血糖値が上がる傾向があれば、普段食べている量の半分量を目安にしてください。
マサ
寒いと体を動かすことが減ってしまいませんか?
冬はご自身の代謝が上がるため運動効率がよくなります。
寒くても運動をしてください。外に出るのが辛ければ、室内でのエアロバイクやラジオ体操などを行ってください。
エアロバイクはTVやyoutube動画を見ながら、ラジオを聴きながら行えるのでオススメします。
マサ
長い時間外で体を動かすことに抵抗があれば、毎食後15分〜20分歩くようにしてください。
そうすることで食べたものが体に蓄えられる前に少し消費できます。1日3回できれば1日合計45分〜60分の運動になります。
さらに、15分〜20分程度の運動であれば夏のように汗をかくことはないと思いますので、運動後にシャワーを浴びる必要がないと思います。

-服薬指導

© 2023 夫婦薬剤師