お薬について

薬剤師として知っていた方が良いこと『甲状腺ホルモン薬』について


こんにちは。 マサです。

調剤薬局にて薬剤師として働いています。

あなたは服用方法や併用に悩んだことはありませんか?

今回は甲状腺ホルモン薬の『レボチロキシンNa錠』についてよく経験することを記事にしたいと思います。

レボチロキシンナトリウム錠の2種類はどちらも先発品

レボチロキシンナトリウム錠には『チラーヂンS錠』と『レボチロキシンNa錠「サンド」』の2種類があります。
勘違いされることがよくありますが、現在日本で発売されているレボチロキシンNa錠「サンド」はジェネリック医薬品ではありません。
『社会保険 薬価基準』の本にも後発品の記載がありません。

添加物について

私の薬局で経験したことです。
今までレボチロキシンNa錠「サンド」を服用していた患者さんが、転医によってチラーヂンS錠に変更したら痒みや発疹、違和感を生じました。
原因を探ったところ、チラーヂンS錠には「トウモロコシデンプン」が使用されています。
「トウモロコシデンプン」に対するアレルギー反応を生じる患者さんには時々出逢います。
レボチロキシンNa錠「サンド」からチラーヂンS錠に変更して合わない患者さんは、レボチロキシンNa錠「サンド」に戻すことをオススメします。

併用薬について

私の薬局ではレボチロキシンNa錠が多く使用されます。
他の薬局で貧血の鉄剤が処方されることがあります。
気にして時間をずらす様に服薬指導している薬局もあれば、何も指導を受けていない場合もあります。
添付文書に記載されていない薬としては『コロネル』、『プロマック』、『沈降炭酸カルシウム』、『PPI』、『シプロキサン』、『エビスタ』などがあります。
併用することで甲状腺ホルモン薬の量を調節しなければならない方がいます。
併用を確認したら患者さんが伝えているかを確認したり、薬局から主治医に連絡することをオススメします。
甲状腺ホルモン薬と結合して吸収を妨げる鉄剤やアルミニウム含有薬、亜鉛薬、炭酸カルシウムなどは時間をずらして服用することで影響を減らせます。
起床時か就寝前のどちらかをオススメします。

服用方法について

服用忘れ・過剰服用

「起床時」や「朝食後」など服用タイミングの指示があると思います。
服用忘れがあった場合は気づいた時に服用すれば良いです。
もし間違って2日分服用した場合、翌日に休薬すれば良いです。
普段1日50μgを服用している患者さんが、災害時に50μgを入手できなかった場合、1日100μgを隔日服用(1日平均50μg)します。

処方変更時

1日50μg服用中の患者さんが1日75μgに増量となったとします。
手元に50μgが残っていた場合は、1日100μgと1日50μgを交互に服用し、2日間で考えて1日平均75μgとして服用することができます。

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